月明かりにヤモリ

Moonlight Gecko

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未知へと続く道


● 亜細亜の熱帯雨林、ボルネオの旅 ●
プロローグ. 暗黒大陸への渡航
1. 旅の終わりは、旅の始まり
2. エアアジアの激情
3. それぞれの乾杯で繋がる世界
4. 伏線のポッポヘジュセヨ
5. 森の人の恩返し
6. ジープが停まる理由
7. Monster Monkey Morning 
8. まるまるこのもり
9. 虎とか豹とか虎とか
10. 熱帯猿紀行
11. ジュラシック・リバー・クルーズ
12. クルーズ拒まず、サルを追う
13. 真っ暗闇に漕ぎ出して
14. 真っ暗闇を抜け出して
15. おはようボルネオ
16. 花束を君に
17. 支流の小径
18. 尻尾の理由を聞かせておくれ
19. 未知へと続く道



 夕日に染まるサンダカン空港でイアンと別れる。空港内はスカーフを被ったマレー系の女性だったり、明らかに声がデカい中華系のおばちゃんだったり、さすがは多民族国家のマレーシアといった様相で、色とりどりの人々が行き交っていた。
 あとは帰るだけだったので、これまでの張りつめていた緊張感が一気に解けるようで、どっと疲れが押し寄せる。 『 とりあえずはどこかに腰を下ろしたい 』 、そう思って少し早めの晩メシを空港内のレストランでとることに。



ミーゴレン
ミーゴレン


 またもやミーゴレン食っている。こちらのはモヤシとシーフードが特徴的な甘ったるいミーゴレン。なんだかんだでマレーシア料理だったらコレが一番口に合う気がする。
 帰国後も日清から出ているカップヌードルのミーゴレン味 ( カップ焼きそばみたく湯切りするやつ ) を大人買いして食ってるし、ミーゴレンに依存気味。



 しばらく腰を下ろして休息をとったこともあって体力は回復しだし、 「 いざコタキナバル空港へ 」 と、検査場を通り抜けて出発ロビーで飛行機を待っていたがなかなか出ない。ただでさえ乗客が少ない関係で便をまとめられて出発が遅いのに、これじゃあ全然予定通りに行かないじゃないか。。

 結局約1時間ほど遅れてコタキナバル空港着。本来はここでディクソンという男と待ち合わせの予定だったのだが、約束の時間はとうに過ぎている。彼とはここからダウンタウンのホテルまで車で連れて行ってくれる約束だったが、フライトが遅れてしまったためだろう、空港では姿を見つけられなかった。
 このディクソンという男、実は行きに香港国際空港からこのコタキナバル空港に降り立った時に出会っていて、顔馴染みであった。出国前、旅行会社に電源プラグのことを相談したら、 「 それでしたら現地のスタッフに私のプラグを渡しておきますよ 」 と言われていて、いざコタキナバル空港に着いたらいきなりこのディクソンという男にアポなしで呼び止められたのが出会いだった。宿とかで渡されるかと思いきや、急に空港で訛った口調で私の名前を連呼しながら怪しい男が近づいて来るんだもの、さすがにびっくりしたな。それでいて自己紹介も手短に済ませて、左手に持っていた30cmくらいの長さの、5口くらいあるタコ足配線をこちらに渡してきてようやく意図が理解できたのだった。
 手渡されたタコ足を見てみると、ボディのところに 「 DICSON 」 とマジックで書かれていたが、慌てて書いたのだろうか日本語で表現するならば 「 でぃくそん 」 みたいな感じでヘロヘロの文字で書かれていた。聞いていた話だと日本人の旅行会社の方が貸してくれるはずだったのだが、そのオーナーから私たちに貸し付けるよう無理矢理にでも言われて、仕方なく家から引っ張り出したような、そんな生活感丸出しのタコ足だった。


 というわけでそのタコ足を返す義理もあるので、タクシーでホテルを目指すわけにも行かず、しかたなく公衆電話を使って旅行会社に国際電話。なんとかディクソンに取り次いでくれたようで、およそ30分くらいして彼が自家用車で迎えに来てくれた。
 その間怪しげなタクシーの客引きから逃れながら待つ時間は果てしなかっただけに、感動の再会だ。深夜だというのに彼はイヤな顔をせず迎えに来てくれ、さらには明日の早朝はホテルの黄色いボディのタクシーを使うんだよ、と親切に念を押してくれた。そして10分くらいでコタキナバルのダウンタウンにあるホテルにたどり着き、ホテルの前でディクソンと別れた。



 ようや着いたホテルで重たいザックを下ろして一息ついたら、翌朝は4時半出発と猛烈に早いが、やはり現地の飲み屋で一杯飲もうと言うことで、深夜の街中へと繰り出した。時間にして深夜23時半。


 蒸し暑いのでとにかく通気性を重視して、ラフで小汚いタンクトップで繰り出した私と、 『 日本人感を出したい 』 というよくわからん願望でのコーディネートで、甚平を着て練り歩くルンチョロサン、といういかにも頭の悪そうな身なりでふらつく。
  「 せっかくだし、アジアを堪能するためにも小綺麗なとこに行くよりも、現地の人が行くような大衆酒場的なところに行こうや 」 、ということで、しばらく深夜のコタキナバルを怪しい格好でうろつくいて店を探索。



コタキナバル
コタキナバルの街並み


 路上にはベロベロに酔っているオヤジやら、いかがわしいお店のオネーチャンとか、路上で寝ているおばあさんとか、とにかくそれらしい少し危なそうな雰囲気だった。良さげな店をなかなか見つけられずにしばらく彷徨っていると、どこかで見たことのある青年が目に入る。

「 あ、ディクソン !! 」

 なんとそんな怪しげな人々に紛れて、ほっつき歩いているディクソンを発見。束の間の再開に変な感じがしたが、とりあえず 「 大衆酒場みたいなとこで一杯飲みたいんだけど、どっか良いとこ知らない ? 」 と聞いてみると、 「 おお、じゃあ案内してやるよ 」 と言われ10分も歩かないところの飲み屋に連れて行ってくれた。



炭火とチキン



 道路に面したビルの1階が窓も無く吹き抜け的になっている、アジアではよく見る造りの店。路上で煙をモクモクさせながら、いかにもスパイシーな真っ赤なチキンを焼いている店だった。

 「 それじゃあ、明日はちゃんと早起きしろよ 」 と、ディクソンは案内をしてくれただけで、まだ用事が済んでいなかったのだろうか、別れを告げて深夜のコタキナバルへと消えて行ってしまった。タコ足の恩もあるし、せっかくだから一杯くらい奢ってあげようと思ったのに、まぁ良いか。 ( 彼はドライバーなのでノンアルだけど。 )



 さっそくチキンを1プレートと 350ml のビールをオーダー。 「 まずは一段落、フィールドお疲れさん。 」 ということで、毒蛇に噛まれることも、遭難することも、食あたりすることも無く、無事にフィールドを乗り切ったことに乾杯した。


ビールとチキン
ビールとチキン


 チキンは見た目通りスパイシーな味付けで香辛料をすり込まれているよう。それを甘辛のタレにつけて食べるのだが、これがうまいのなんのって。最高にビールに合う !! つまみにピッタリの味付けじゃんか。それでいて半分外で飲んでいるようなもんなので、心なしかバーベキュー気分。


大衆酒場


 店内から見える景色は、これまでの観光客目線の景色ではなく、現地民の景色に映った。ボロボロになっても使い続けている車が前を横切り、現地のオヤジは新聞を読んだり現地のテレビを見たりしながら安酒を傾け、深夜なのに子供がウロチョロしていたり。
 目線は現地民でも、格好や存在感がツーリストだったり違和感のある人間なんだろうか、店にいたちびっ子たちはタンクトップと甚平を着た男らを、チラチラと横目で見てはクスクス笑っていた。笑われていたのだろうが、なんだかその楽しそうな笑顔が見られるなら幸せだなぁと感じたり。無垢な笑顔が旅先で見られるならば、笑われて行こうじゃないか、何事も。



 たらっと飲んで良い感じにほろ酔いのままホテルに戻って、ベッドで即爆睡。翌朝起きられるか心配だったが、そこはやはり海外という緊張感からだろう、太陽が昇るより前、4時には起きて荷物をまとめてフロントへ。
 チェックアウトのためにフロントまで降りてきたところで、 「 あれ、また見たことがある人が ・・・ 」

 まだ夢でも見ているようだった、なんとこんなクソ早い朝にも関わらず、そこにはディクソンの姿が ?? !!  「 え、なんで ?? 、どうしているの ?? 」 と聞いてみると、 「 君らがちゃんと起きているか心配でね。 ちゃんと君らが帰国しないとなんかオレがボスに怒られちゃいそうで 。。 」 とか言っている。
 別に彼の運転で行くわけでもなくタクシーで空港に行くのに、それなのにわざわざ心配で見に来るとかどんだけ良いヤツ ( どんだけ心配性なヤツ ) なんだよ、ディクソン !!  たぶん家はここら辺じゃないだろうし、相当早起きしてくれたんだろうな。 と、昨日飲まずにすぐに別れた理由が想像できて、つくづく彼の優しさが身に染みる。なんだか朝から心が洗われたぜ、マレーシア人は良い人ばっかだな、まったく。

 そしてディクソンに見送られてホテルを発つ。そこからはただただ泥のように眠りながら乗り継ぎで帰国する時間が続いた。予算の都合上、ダナンバレーの高級宿との帳尻を合わせるために、帰りはLCCを使って台北経由で成田空港へ。
 1年前の台北ではちょっとした諸事情により土産を選んでいる時間もロクにないような帰り道の台北空港だったわけだが、今回は乗り継ぎ便で時間もかなり余裕があったので、フードコートにて少し早い昼食とおビールを。


ビールと牛肉麺


 牛肉麺に台湾ビール、あぁ極楽極楽。やはり台湾ではうまいメシとビールで飛行機待ちたいっすね (笑)  何事も余裕が大事だなぁと、しみじみ感じてちょっぴり涙したとかしていないとか。
 今回の記事は大半が飲んでばっかですが、帰りも移動ばかりでやることがないんで許しててくだせぇ。酔っ払えば飛行機の中で爆睡できるので、気がついたらあっという間に日本帰国ですよ。


 そしてようやく我が家に帰宅。今回も怪我なく無事に旅は終了です。海外遠征は、たとえ生き物が全然見られなくとも、無事帰って来られればまずは成功なのだ。



ボルネオ組写真


 とは言っても生き物は色んなヤツらに会えた。両爬屋としては少し残念な両爬の成果となってしまったが、それでもボルネオを象徴するような様々な生き物に出会えたのは、それはそれで代え難い体験をした。
 日本だけでは味わうことのできないようなアプローチの方法で、未知の生き物たちに遭遇するこの感動はなかなか言葉で表現するのは難しい。ただそれを体感した人にはわかるだろう、 「 アレはすごかった、コレはとんでもなかった 」 と。




ボルネオの道



 だから旅に出るのだろう。 未知へと続くこの道を、ドキドキしながら歩いて行く。



 旅が終わった瞬間から、次の旅の始まりだ。








 ということで長かったボルネオ編はこれにて終了です。最後までだらだらと記事を書いてしまうクセが抜けず、読みにくかったところも大いにあったかと思います。それでも最後までこの拙い記事を読んでいただきまして、ありがとうございます。
 次回の記事からはようやく通常運行です。今後ともよろしくお願い致します。


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