月明かりにヤモリ

Moonlight Gecko

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最終夜の晩餐

~ 麗しの島、台湾の旅 ~
1. 小汚いバックパッカーとダーティー兄ちゃん
2. トカゲたちの異なる境界線
3. 極彩色 Richly colored
4. 翡翠の純心
5. 蝦蟇が来たりて、夜は更ける
6. 翡翠の邪心
7. 谷を渡って飾り付け
8. 木登り蜥蜴の陰と陽
9. 至高のグルメ
10. 色とりどりの花咲き誇る
11. 斑蛇の明と暗
12. 既視感のオアシス
13. 蓮池や 咲いては消える 亀の華
14. 鼻先蛙は蛇の気配
15. モノクロームの鎮魂歌
16. 最終夜の晩餐
17. 老人と湯




 ついに最終日の朝がやってきてしまった。名残惜しくも、レンタカーのトランクへ乱雑に詰め込んでいた荷物を駐車場で整理して、帰り支度を始める。
 捨てられなかったゴミも各々まとめ、すっきりしていく車内。ふと、そのゴミの中に、昨日飲んだ烏龍茶のコップが目についた。そう、この烏龍茶は自分で購入したものではなく、仲良くなった台湾人にいただいた思い出の一杯だったので、急に目に飛び込んできたのだろう。今回は生き物ではなくその時の話でも。



 最終日前日の夕方、嬉しい雨がシトシトと降りしきり、 「 これは今夜期待できるぞ 」 と3人で顔をつき合せて喜んでいた。誰が言ったか、 「 気合入れるためにも、1回屋台でパワーをチャージしよう 」 となったので、最終夜に備え、烏来の屋台で夕飯を食べることにした。加えて私はある嫉妬心から来る “ やりたい事 ” もあった。
 それは屋台に行く前の夕方のこと。雨が降ってきたので、早々にフィールドから切り上げて車に引き返して来た私とTOGUくんだが、なかなかFくんの姿がないのを不審に思っていた。 「この雨の中、粘るタイプでもないしどうしたんだろう 」 と半分心配しながらも、小汚い格好で台湾スナック菓子を貪りながら 「 このお菓子はうまい、あのお菓子はマズい 」 なんて話をしながら待っていた。
 その後、数十分してFくんが何事もなかったように姿を現す。想像以上に遅い戻りにどうしたのか尋ねてみると、どうやら前日の山猪香腸の味が忘れられず、屋台まで行って1人で3本のソーセージを食っていたらしい。まぁあの旨さなので仕方がないと納得しかけたが、それに続く 「 香腸屋の女の子の写真を撮らせてもらった 」 という言葉に、私は猛烈な嫉妬心を抱いた。


 なにー、コノヤローと。
 羨ましいぜ、コンチキショーめ、となっていたわけである。

 だから夕飯で屋台に行くなら、オレも撮りたいと、むしろ店員さんと一緒に撮ってもらいたいと切望し、それを期待して屋台へと出向いて行った。その女の子の屋台は、前日に並んだ長蛇の列の香腸屋 【 雅各 】 の向かい側にある香腸屋の娘で、店はボチボチくらいの集客具合。おそらく我々も並んだ肉肉しい同業者に客を取られているであろう雰囲気であった。
 ただ店員の女の子は烏来地域の原住民 【 タイヤル族 】 の民族衣装 ( それも露出多めなやつ ) を着た看板娘で、ライバル店に並びながらも、 「 あの娘かわいいねぇ 」 と修学旅行の男子中学生みたいな会話をして、自分たちのソーセージを握りしめていたのが前日の事。



 今晩はその娘のところで買うと決め、足早に向かうと、遠目からでも彼女の姿を認めることができた !! 雨で屋台街に出ているお客さんこそ少ないが、一生懸命に愛想を振りまき商売している姿に私は心底癒やされた。


香腸娘
香腸娘


「 よしこれは !! 」 と思い、涼しい顔をしながらソーセージを選ぶ。焼く合間に時間があるので、ここで例のお願いをしてみる。


「 Take picture OK ? 」
「with me ?? with me ?? 」
と、だいぶ “ with me ” を全面にプッシュしながら懇願すると、快く 「 OK、OK 」 と親指を立ててくれた。

 しかもなんと屋台の中へと手招きしてくれて、まさかの店内で念願ツーショット。ただハイパーだらしなく鼻の下が伸びた写真なので、私の写真については割愛させていただく (笑


 なんだか好印象なので、 「 Is this ハオツー ? 」 みたいなぐちゃぐちゃな言語でも、なんとかコミュニケーションをとってみると、素敵な笑顔でどうにかしてこちらがわかるように応えてくれる。ロクに中国語を覚えず 「 謝謝 シェイシェイ 」 と 「 好吃 ハオツー 」 くらいしか使えていなかった私だが、行きの飛行機でFくんと盛り上がったエロい中国語講座が功を奏し、小さな脳ミソの片隅にあった 「 性感 シンカン 」 ( セクシーの意 ) を思い出して、 「 You are シンカン、シンカン 」 と発する。
 彼女は一瞬戸惑ったような顔をしたが、その後の恥ずかしそうな表情は日本人に通ずる可憐さがあって印象的であった。



 いろいろカタコトで会話してると奥から店主兼女の子の父親みたいなおやじが出てきて、娘と写真を撮っているチンケな日本人が珍しいのか、ニヤついた顔で私と娘の間に入ってきた。んでもってこのおやじがまぁ酔ってる酔ってる。面倒くささ2割、面白さ8割といったところだ。




香腸屋
香腸娘と香腸おやじ


 「 謝謝 」 を連発したり、 「 烏来 良い街 素敵な街 」 「 おやじハンサム ! 」 みたいな適当なこと言ってたら、いよいよおやじもご機嫌になってきたみたいで、ソーセージを腰にあてがうジェスチャーと中国語で、 「 お前はチビだから、こっちも小さいだろう ? 」 的な冗談をふっかけてきた。



 ここはおやじの期待に応えねばと思い、

 No No No ( 人差し指を左右に振りながら )
 This is monster !! ( 自分の股間を指さしながら )

 『 馬鹿言うんじゃないよ、こいつはバケモンだぜ !! の意 』


 と、くだらない下ネタをブッ込んでみると、 「 ぐげげげげげげ 」 と大爆笑をいただけた。やっぱり 【 下ネタ万国共通説 】 は本当だった。
 そこからは下衆同士、一気に距離が縮まって、店の奥から男性用の民族衣装をひっぱりだし、私にハチマキや首飾りまでつけて写真を撮らせてくれたり、酒を持ってきて飲んでけ飲んでけと誘われたり。車中泊じゃなかったら確実に一杯ご馳走になっていたんだが、運転があるんだと断わると、代わりに烏龍茶をくれた。そう、それが冒頭に出てきたコップである。
 なんとも感慨深い友情の証のような品だった、まぁプラコップなので捨ててきたが。



 写真を撮ってもらっている時に向こうの親戚のおばさんみたいな人も一緒になってゲラゲラ爆笑しながらスマホで写真を撮っていたが、アレはおそらく台湾版の SNS に 「 珍妙な日本人の来客があった w 」 みたいな投稿をしていそうな雰囲気。まぁ写真を撮らせてもらったので構わないけども。お礼を言うと、 「 FB ! FB ! 」 とスマホを指差しながら言ってくるので、おそらく Facebook で紹介してくれと頼んでいたのだろう。とりあえずはわかったわかったと了承してその場を後にしたが、悲しいかな私は Facebook をやっていないし、今後やる予定もない。 SNS なんて、学生時代に mixi をやったくらいで、それ以降 Twitter やら Facebook 、Instagram なんかは全くもって食指が動かなかった。

 なのでいろいろ良くしていただいたのに何もしないのはどうかと思い、今回せめてもとブログに紹介させてもらった。これできっと大繁盛だぜ、香腸おやじ。






香腸
山猪香腸


 味に関してはこちらの店はバリエーションに富んでいるのでいろいろな味覚を楽しめる。温かみのある裸電球に照らされて、より一層雰囲気のある屋台であった。





看板
泰雅公主


 ですので台湾に行かれる皆さん、ぜひとも烏来温泉街の香腸屋 【 泰雅公主 】 にぜひ足をお運びくださいませ。自分の店の売り物であるソーセージをアレに例えてしまうどうしようもないおやじがおりますが、ソーセージの味と人間味はばっちりですのでご安心を。








香腸おやじ



你们亲切所以,变成了好的旅途.
托您的福,我的香腸元気満分 !!
謝謝.




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Comments
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楽しかったのがものすごく伝わってきます
仕事中にニヤニヤしながら読ませてもらいました~
私ももし台湾行く時があったら参考にしますね!!!その時には、よきアドバイスも宜しくです。
Edit
>> taka さん


なんだか修学旅行的なノリになってしまいましたが、やはり海外というのは見るものすべてが新しくて楽しいですね。

takaさんは八重山も行かれているので、台湾はきっと楽しめると思いますよ。
金額も時間もほとんど同じようなものですし。

ぜひぜひ行かれる際はこの香腸屋へ!!
本当に良いおやじですよ(笑)
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