月明かりにヤモリ

Moonlight Gecko

Category: 爬虫類  

斑蛇の明と暗

~ 麗しの島、台湾の旅 ~
1. 小汚いバックパッカーとダーティー兄ちゃん
2. トカゲたちの異なる境界線
3. 極彩色 Richly colored
4. 翡翠の純心
5. 蝦蟇が来たりて、夜は更ける
6. 翡翠の邪心
7. 谷を渡って飾り付け
8. 木登り蜥蜴の陰と陽
9. 至高のグルメ
10. 色とりどりの花咲き誇る
11. 斑蛇の明と暗
12. 既視感のオアシス
13. 蓮池や 咲いては消える 亀の華
14. 鼻先蛙は蛇の気配
15. モノクロームの鎮魂歌
16. 最終夜の晩餐
17. 老人と湯


 2日目の夜は烏来周辺地域を車で流していた。山間部の道を走っていたのでそこまで車通りは無いものの主要な道路というのは限られているので、そこで暮らしている地元の方の車がビュンビュンとばして我々のノロノロしたレンタカーを猛スピードで追い抜いていく。山間部に点々とする集落独特の、 『 人の気配はあるがしんと静まっている 』 雰囲気は日本も台湾も同じである。人々の灯りが遥か後方へと移り、しばらく人気のない長い山道に差し掛かったところで、路上を照らすライトにヘビの這う姿が浮かび上がる。

 「 おぉっ ! ! ヘビヘビっ ! ! ! ! ! 」

 まるで初めてヤンバルや西表島でヘビを見つけた時のような、あのなんとも言えない興奮と緊張感が3人を満たす。皆、学生時代に南西諸島への遠征を経験しており、このようなシチュエーションで生き物を見つけることが多いため、どう動けば良いかはわかっているので言葉なしですぐに最善の行動をとれる。
 “ ライトを握りしめて識別・捕獲に向かう者 ”
 “ 車を安全な場所に駐車させる者 ”
 “ 通行してくる車の危険を察知する者 ”
 誰がどの役割を果たすかはその時々で、状況によって判断が必要になるのでこればかりは経験しないことには難しい。そういう意味でも遠征慣れしているメンバーだったので車中泊も夜の散策も、気を使わずフルパワーが出せるのが今回のありがたいところ。




アカマダラ
アカマダラ Dinodon rufozonatum rufozonatum


 路上に現れたのは日本人にも馴染みの深いアカマダラ。日本では対馬と尖閣諸島に分布するヘビだが、私は未だ日本の生息地を訪れることができていないため、国産のアカマダラは未見である。
 写真やネットなどでみる対馬のアカマダラはこの個体よりも赤みが強くパッと見の印象が異なる。台湾のアカマダラは黒っぽく、そう見えさせているのは黒い横帯が大きく、間隔が狭いのが要因だろう。同じ亜種でも色彩に地域変異があると思われる。
 日本に生息する別亜種のサキシママダラD. r. walli でも、地域で色彩変異がある。


サキシママダラ比較
サキシママダラの島嶼間色彩比較
上:宮古島
下:西表島


 アカマダラの 【 台湾 】 - 【 対馬 】 での色彩の違いは、日本でいうところのサキシママダラの 【 西表島 ・ 石垣島 】 - 【 宮古島 】 での違いと同じような気がする。黄色部の面積の違いで見た目が全然異なって見えるので、これらの色彩パターンは表現型として固定されやすいものなのかもしれない。実際並べてみて思うが、全然違うのが見てとれる。これをぜひ対馬のアカマダラでやりたいなぁ。

 アカマダラは台湾では見かける機会の多いヘビのようで次の日も、前日も発見していた。感覚的にはサキシママダラに近いように思える。
 捕まえてもそこまでの攻撃性はなく、逃げの姿勢。その際にぶちまけられるマダラ臭を嗅ぐと、西表島での楽しい記憶がふと思い出される。やっぱりマダラは臭いぜ ・・・



アカマダラ
アカマダラ


 前日の陽明山では、夜の散策中にやぶにいるところを私が見つけた。自分の眼でこの小さな幼蛇を見つけ出したのにはえらく感動したものだ。
 一般的には成蛇よりも幼蛇の方が色彩が鮮やかなのだが、幼蛇パワーをもってしてもこの赤さである。渋いと言えば渋いのだが、やはり鮮烈な赤い個体を見てみたい。やはり対馬かなぁ。ツシママムシGloydius tsushimaensis も見たいし、固有のハペも多いのでなんとか行ってみたい。





 2日目の夜は早々にアカマダラが見られたので期待していたのだが、希望虚しくその後はただただ山道のドライブに興じるだけに終わってしまった。カーナビとにらめっこしたり、よくわからん細い道に入ったりして、どんなフィールドになっているかを下調べするような形になったが、 『 それは明日以降にも活きること 』 と心の中で言い聞かせ、この日は散策終了。
 限界まで運転して、眠くなったら駐車スペースを見つけそのまま眠る。行動力をフルで使えるのが、車中泊の旅の良いところである。

 ただ溜まった疲れと固定されたシートということで3日目の朝ともなると体が軋んでいるのが実感できる。しかしモチベーションもあるので、外に出てグッと伸びをしながら大あくびでもしてしまえばある程度はリセットされる。


肉まんと沙士
肉まんと黒松沙士(サーシ)


 朝飯はコンビニが開いているのでそこでパパッと済ませる。コンビニの中華饅といえど本場は本場なので、すんごいハオツー、めっちゃハオツー。
 そしてジークさんも以前台湾を訪れており、その際に紹介していただいたのがこのサーシ。 「 ルートビアが好きならぜひオススメ 」 と教えてもらいようやく念願が叶ったのだ。沖縄に行くと真っ先に買いたい飲み物がルートビア。それの台湾版ということで、レンタカー屋横の劉ちゃんのいるファミマで最初に買ったのもサーシ。
 甘ったるくてシップの香りがする素敵な炭酸飲料で通称 『 台湾コーラ 』 。ルートビアに比べてベタつく甘さではなく、さっぱりしたのどごしなので暑い地方向けと言った感じ。亜熱帯気候のフィールドで汗をかきまくってから飲むサーシはバツグンにハオツー。またベタつかないので朝の寝起きに飲んでもハオツー。
 ちなみに写真のサーシは 『 加塩 』 タイプだったが、私には通常品との違いがイマイチわからなかった ・・・ ( 味音痴 )



 とにかく台湾コーラで力をつけて、さぁこれから3日目スタート。4日目は帰国日で散策もしないので実質フィールディングの最終日。なんとかこの1日で見たいものを出すしかない ・・・


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Comments
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アカマダラ、僕も台湾で見たときは同じ感想で、ネットや図鑑等で見た印象より黒いなぁと思いました。
月光森宮さんの見つけた幼体でもこんななんですねぇ。

サーシ、ついにお飲みになりましたか!
きっとおいしいと言ってくれると思ってました笑
Edit
>> ジークさん

アカマダラ、やはりそんな印象ですよね。
以前ジークさんが載せていた沢でみたアカマダラも、まるでアカマタのようにくすんでいるようだなぁと。

サーシたまらんうまさでした!!
コンビニに普通に売られていたので、かなりの頻度で飲みましたね。
ルートビアにしてもサーシにしても、日本で身近に買える場所が近所にあれば最高なんですが。。

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