月明かりにヤモリ

Moonlight Gecko

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小汚いバックパッカーとダーティー兄ちゃん

~ 麗しの島、台湾の旅 ~
1. 小汚いバックパッカーとダーティー兄ちゃん
2. トカゲたちの異なる境界線
3. 極彩色 Richly colored
4. 翡翠の純心
5. 蝦蟇が来たりて、夜は更ける
6. 翡翠の邪心
7. 谷を渡って飾り付け
8. 木登り蜥蜴の陰と陽
9. 至高のグルメ
10. 色とりどりの花咲き誇る
11. 斑蛇の明と暗
12. 既視感のオアシス
13. 蓮池や 咲いては消える 亀の華
14. 鼻先蛙は蛇の気配
15. モノクロームの鎮魂歌
16. 最終夜の晩餐
17. 老人と湯


 日本 ( 成田 ) からおよそ 2,100 km 南西の海に浮かぶ、台湾島。日本で最も近い与那国島から台湾北東部まで、その距離が 110 km に満たないというとても近い国でもある。島の面積にして九州とほぼ同等でありながら、台湾最高峰の玉山 ( 標高 3,952 m ) を含む玉山山脈、中央山脈、雪山山脈、阿里山山脈、海岸山脈と、5つもの山脈を擁する起伏の激しい土地だ。気候区分では亜熱帯から熱帯に分類されるにも関わらず、高標高地域には雪も降るしサンショウウオだって生息している。
 爬虫両棲類相 ( herpetofauna ) としてはざっくり言えば 【 八重山 + 大陸 】 といった様相で、西表島によく訪れる身としては馴染み深い連中やその親戚などが生息しているので面白い。中でも系統地理関係の書籍や論文の 【 大陸 - 台湾 - 琉球列島 】 間の陸橋形成の話でたびたび名前の出てくる両爬がいるところなので、聞いてはいたが見たことがないという存在も多いのが事実。
 また大陸要素としては、Eutropis 、Ophisaurus 、Oligodon 、Pseudoxenodon 、Bungarus 、Naja 、Deinagkistrodon 等、書き出しても書き切れないほど見慣れない属の連中がいるので、これはこれで海外に行かねば見られない両爬なので心が躍る。ヒャッポダD. acutus とかいるんですよ、たまらんでしょ。
 八重山と同じくイモリ類がいないというのも興味深く、中琉球のシリケンイモリCynops ensicauda ・イボイモリEchinotriton andersoni が琉球列島では最南の分布で、南琉球・台湾を飛ばして大陸にイモリ類が分布する。

  『 系統地理を想像してもよし 』 、 『 大陸の猛烈な連中に圧倒されるもよし 』 、という素晴らしい場所で、私の中で “ 行きたい国ランキング5年連続不動の第1位 ” の国がこの台湾 ( 正確には中華民国 ) なのだ。そんな台湾へ、大学時代の友人であるTOGUくん、Fくんと “ B型男3人旅 ” を決行することとなったのだ。




 出国は AM 8 時成田空港発だったため、前日深夜に成田入り。早朝に成田ではアクセスする手立てがないので、朝が来るまで空港で待機しようという算段だ。Fくんと途中駅で合流して成田空港に辿り着くと、TOGUくんが先に到着していてソファーを確保してくれていた。
 だがしかし、2人分の寝るスペースしかないわけ。そこに3人だぜ、どう考えても1人寝られないでしょ。んでそういう状況になったらね、だいたい私なんですよ、粗雑な扱いを受けるのは。仲良く3人で座って寝るという結論には絶対に行き着かない。
 確保していたTOGUくんにはその権利があるのはわかるが、あろう事かFくんは早々に、然も自分がその権利を当然有しているかのようにムニャムニャと柔らかいソファーで寝ちまったわけ。信じられますか? 信じられないよ !! じゃんけん大会くらいしろよなー、このやろー。


 てなわけで私は私でまだ鳥がわからんので、付け焼き刃で勉強するためTOGUくんに鳥図鑑を借り、フードコートのテーブルでページをめくる。空港に着いてさっそくソーセージ片手に発泡酒で一杯やっていたので、仕事の疲れと心地好いアルコールで程よく眠気に誘われ、いよいよページをめくる手が進まなくなってきた。
 そこで翌日のことも考えてさあ寝るかと、気持ち良さそうにソファーで寝ている2人を横目に、彼らの足下の床にダイレクトで寝ることを決意した。人間としての尊厳を守るのであればテーブルに突っ伏して眠るのが本来は正解なんだろうが、次の日からは寝る間も惜しんでめくるめく台湾フィールドを堪能するため少しでも体力は回復したいという想いが、私を小汚いバックパッカーへと変貌させた。酔いもまわって初めは難なく寝られたものの、ドタドタと従業員の足音が真横を通るし、想像以上にリノリウムの床に体温をグングンと奪われるしで、全然眠れなくなってしまった。
 もっとお酒を入れておけばよかったか、反省反省。 ( いやむしろ問題は寝る場所であり、友人の優しさだろう )




 そんな深夜の葛藤がありながらも、無事LCCの飛行機に乗り込むことができ、日本を発つ。そこから3時間ちょっとを少し窮屈な機内で過ごせば、もう台湾の桃園空港に着陸だ。台湾は時差マイナス1時間なので、着いてもまだ10:30 ( Taiwan time ) で割と時間は経っていないように錯覚する。
 イミグレ前に空港内でニュー台湾ドル ( NT$ もしくは元 ) に両替をする。少し不安だったが、日本で換金するよりもレートが良いので台湾での両替。この時 ( 2015 年 7 月時点 ) で 0.24 NT$ / 円。4万円を両替したが、日本で両替するよりも約 2,000 円お徳だったのでリッチな気分。しかも最も大きな紙幣である 1,000 元札にはミカドキジがデザインされていてなかなかにカッコ良かった。
 そして台湾入国 !! 空港を出るとムワッとした熱気が全身を包み、ギラギラと太陽が照りつける。使い方がイマイチわからん公衆電話に無駄に10元硬貨を飲み込まれはしたが、なんとかレンタカー屋に連絡をとって送迎車を呼んだ。

 台湾は公用語が中国語だが、空港や都市部では英語も普通に通じるため、ある程度はなんとかなる。また日本統治時代の歴史的背景や近年の日本人観光客の増加により、日本語もある程度通じる場合がある。なので中学生レベルのカタコト英語と、ガイドブックの簡単中国語と、丁寧な日本語を状況に応じて使い分け、ジェスチャーとテンションとスマイルを添えてやれば、台湾で旅行するにはほとんど困らなかった。まぁ要は気持ちでなんとかなるってことです。

 暑い空港で待っているとレンタカー屋の兄ちゃん登場。彼は会った時こそそれなりに話してくれたが、数ターンの英語のやりとりで我々のポンコツ加減を見抜いたのか、終始鼻で笑ってやがる。まぁ車に乗るなり私が助手席で、「Oh, Taiwan is very hot, hot !! 」とバカみたいに話しかけたりしたからだろう。だから彼は店まで余裕をこきながら片手運転しながらジュースとか飲んでるわけ。日本だったら 「 店員のマナーが悪い、けしからん !! 」 という評価が下りそうだが、別の旅ブログなんかでも台湾でこういうシチュエーションに出くわす人がいるようで、文化が違うわけで彼らにしたら普通なわけ。変にへつらうよりも自然体で良い国民性だなと、兄ちゃんをみて思った。

 台湾のレンタカー屋では車体の傷チェックはしっかり証拠を押さえるシステムのようで、傷は客が自分のスマホでしっかり写真を撮っておくらしい。んで返却時にちゃんと写真撮ってチェックしたよなってことで照合するみたいだ。
 今回レンタルするのは白の Yaris ( 日本でもおなじみTOYOTA Vitz の海外版 ) という車種。色のため傷や汚れが目立ったが、傷チェックではそのほとんどが汚れだった。傷っぽいと思った箇所も兄ちゃんが 「 dirty, dirty ( 汚れだよ汚れ ) 」 と唱えるながら擦るとあら不思議、あっという間にピカピカの白いボディがお目見え。まるで魔法の指先だぜ、兄ちゃん。
15箇所くらい怪しいとこがあったが、兄ちゃんの魔法の指先により結局傷は4箇所だけだった。それ以来、我々の中で彼のあだ名は 【 ダーティー兄ちゃん 】 となった。

 無事手続きも終え、ようやく台湾旅のスタート。これからどんなワクワクが待っているのだろうと期待に胸を膨らませ、濁流のような車道へ突入してボクらの旅はスタートした。



台湾組写真







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