月明かりにヤモリ

Moonlight Gecko

Category: 草本類  

皐月の蘭


 5月はランの月。そう言わざるを得ないほど、先月は植物探訪の機会が多く、慌ただしく終わってしまった5月。いつの間にやら植物屋まがいになり、季節や天候を気にしながら花期を予想して各地へと足を運ぶようになってしまった。こうなってくると車が非常に欲しい。仕事終わりに支度して車中泊で遠出できるし、ふと早朝に目が覚めても始発を待たずして出発できるし、なにより電車とバスとでは時間がかかってしまうのがもったいない。あぁ、ジムニーとかパジェロミニ欲しい・・・
 まぁドラゴンボールを集めたら~的な話はここら辺に致しまして、5月の花々を。


シラン
シラン Bletilla striata


 ランの中では丈夫な種で日当たりの良い草原などに生える。庭先や道路わきの花壇などにも植えられ非常に身近なランである。里山の草原にて。おそらく純然たる野生種ではないのだろうけども、ミシシッピアカミミガメTrachemys scripta elegans にしてもそうだが野生下で見て美しいと思えば美しいのだ。そこに 「 ガイライシュ・エンゲイシュ 」 というフィルターをかけて先入観で見てしまうと、本来の美しさは見えてこない。
 案外人間は視覚だけでなく、そのバックボーンを想像して美を認識するみたいだ。私ももちろんそうなんだけど、もっと素直な目で生き物を見ていきたい。つまり曇りなき眼で見定め、決めるということ。


キンラン
キンラン Cephalanthera falcata


 紫の次は金。お目当てのキンラン。春の里山に咲く姿を見たくて訪れた。去年は花が開ききっていないところしか見られなかったので今回は良いタイミングだった。
 暗い林内でストロボを焚いてしまうと、なんだか本当に金色みたい。



キンラン
キンラン


 豪華金蘭、いや豪華絢爛なキンラン。薄暗い林内でたまに差し込むスポット光を浴びて煌めいていた。ストロボを焚かずとも、こちらのキンランは輝きを放っているのが印象的で、夢中になって写真を撮っていると、同じく花を求め山を歩く奥様に。

 「 これはすごいわねぇ。アタシも良いかしら? 」

 と一緒になって写真を撮った。この株の良さを共有できる人に出会えたのが嬉しい1日だった。 『 あと数年遅く生まれてきてくれたらトキメキが止まらなかったのに 』 と、また他愛もない事を考えながら 「 それでは 」 と別れを告げた。



エビネ
エビネ Calanthe discolor


 素敵な出会いの後には、素敵な出会い。ランは花の形が特徴的な種が多く、本種も面白い形をしていて私には岡本太郎の作品のように見えてならない。
 このランも園芸の趣味人が多く、多様な品種も作出されている一つで、自生ではない場合もある。今回は杉林の崖地にひっそりと佇んでいたので、おそらく自生かと。また植えられたエビネは基本的にはまっすぐと伸びて ( もちろん自生種もまっすぐだが ) 、このように斜めに伸びることはあまりない。
 あと心配な事としては盗掘にあわないことを願うばかり。この手の人気のあるランは一時期の園芸ブームの立役者でもあり、今現在でも野の花を摘んでいくものがいるという。まぁ 「 採るのは絶対的に悪だ 」 とは私は言わないが、動けない生き物なだけあって、その地に再訪して会えると期待していたのに会えないというのは寂しい。見つけたその瞬間は誰のものでもなく自分のものであるのだが、これから先の未来、誰かが見つけて同じように嬉しい気持ちになってくれる事を想うと、その未来の感動を摘んではいけないなと思う。さらに言えば、自分に与えられた幸運な瞬間も、もしかしたら誰かが紡いでくれた幸せなのかもしれない。だからこの出会いに感謝して笑顔でさよならを言おう。

 おぅ、なんかミリオンセラーでもぶちかましそうな歌が1曲できそうだな。誰かプロデューサーになっておくれよ。






 里山の次は山を登る。



セッコク
セッコク Dendrobium moniliforme


 去年はタイミングを逃し見ることが叶わなかった着生ラン。大木や岩壁に着生して白い花を咲かせるランで、気にして探さないと見つからない。つまり上ばかり見ているので首が疲れるし、何よりその道中で両爬を偶発的に見つけることもなく、ただただ花を探すフィールディングになってしまうのが難点だ。
 沢の近くで空中湿度も高く、なおかつ隣接する樹との距離がある程度あって開けたところに着生しているのが多かった。マイナスイオンと朗らかなスポット光で気持ちの良いところだったが、沢に阻まれ高い位置に咲くということで、しっかり撮るには望遠レンズが必要だった。しかし残念ながら私には持ち合わせがない。
 望遠レンズ欲しいなぁ、300mmくらいで良いから。この季節だとササゴイButorides striatus とか撮りたいしなぁ。
PENTAXの★単焦点レンズとかほしいぜ。まさに高根の花というやつだ。 ( 花もレンズも )






サイハイラン
サイハイラン Cremastra appendiculata


 妖しいラン !! やっぱり豪華絢爛な花も良いですが、こういうテイストのランが好き。うつむきがちに花を開くので、ローアングルでスカートを覗きこむように撮るのがコツだとか。以前見た個体は花期を過ぎて、しわっしわで花も閉じていて、妖しくそそり立つだけのよくわからん状態だっただけに、もっさりと咲いているのに出会えるのは嬉しい。それもこの株を見つけた道沿いに点々と生えているので、 「 あ、またあった !! 」 とその都度写真を撮りたくなるのでなかなか前に進まなかった。




サイハイラン
サイハイラン


 淡いピンク色の花がたくさん垂れ下がってついていて、それが薄暗い林内の下草の間からズンっと出ているとなかなかに存在感がある。この株は花期真っ盛りだったので、ビンビンに立っていてほぼ垂直に花が開いていた。タイミングが良いと色鮮やかで、花内部の紫色も美しい。それが薄衣のピンク色から透けている妖艶な姿がこのランの魅力だと思う。


 去年タイミングを逃したセッコク、サイハイランがリベンジできたのは良かった。そしてここまでダラダラ書いてもまだ5月のラン紀行は書き切れない。ということで次も5月のランを。







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Comments
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いいですねぇ。
すばらしい蘭がずらりと並んだ・・・!!

エビネを見上げる写真が好きです。
フィールド、花、そしてトキメキ・・・(笑)
なんて素敵な5月なのでしょう。
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>> クマGさん

今回は身近なランを載せてみました。
案外トキメキも身近にあるもんです(笑)

そしてもうちょっとだけ続きます。
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