月明かりにヤモリ

Moonlight Gecko

Category: 両生類  

麗かな春の房総 


 オオキンカメムシEucorysses grandis が見たい。そう思いメジャーな越冬地である房総半島に行く計画を立てた。この計画は房総に住む友人(TOGUくん)の協力を得る算段だったのだがなかなか予定が合わず、気がつけば3月も中旬に差し掛かってしまった。その時期になんとか房総フィールドへ行く約束をこぎつけたのだが、季節がひと月もふた月も進んでいるような温暖な房総半島ではおそらくオオキンカメは越冬を終えているだろう。
 そこで他に房総で面白いものはないかと調べているうちに、 “ あること ” を閃いた。友人に前日ギリギリにその話を持ちかけ、装備を整えてもらい、私は翌日の始発電車に備えて早々に床に就いた。

 予定通り高速バスも順調にアクアラインを越え、駅でTOGUくんに拾ってもらって目的地へ車を走らせた。途中コンビニでメシを買うつもりでいたのだが、バカ話をしているうちにあれよあれよと通り過ぎ、目的の山付近ともなるとコンビニ自体がなくなった。そう、今回は昼飯抜きなのだ。唯一の食糧は私がおやつ用に購入しておいたホワイトチョコのアルフォートのみ。






沢沿い


 到着していざフィールディング。千葉県の最高峰は愛宕山(408m)で、都道府県別の最高峰の山の中で最も標高の低い山であるため、千葉県はどうも山のイメージがなかった。しかしよく調べてみると、房総半島は山に高さがないものの谷は切れ込みが深く、結構面白いところであることがわかった。
 今回は薄暗い谷底から沢を遡る。


アズマヒキガエル
アズマヒキガエル Bufo japonicus formosus


 道すがら蝦蟇に会う。背中はツルっと滑らかで黄色い体色をしていたので、リリースコールの会としては掴まずにはいられない。しかし明らかにオス個体でありながらも、リリースコールを発せず、あろうことか皮膚から乳白色の毒液まで出されてしまった。なんたる嫌われよう。いつも通りに接しても、うまくいかないときもあるもんですね。ついに私はオスのヒキガエルにさえフラれるようになってしまった。
 合戦を終えてお疲れだったのか、お尻をグリグリ泥にめり込ませて潜って行ってしまった。もうひと眠りして春を待つのだろうか。



小滝


 行く手を阻む倒木を越え、細い岩壁を伝い、上流を目指す。予想以上に困難なルートで一向に前へ進まないが、ある程度登り詰めて陽の差す沢を眺めると心が洗われる。岩肌は明るいモスグリーンで覆われて、キラキラ反射する水面をアメンボが無邪気に踊る。



トウキョウサンショウウオ卵囊
トウキョウサンショウウオ Hynobius tokyoensis の卵囊


 途中沢でトウキョウサンショウウオの卵囊を見かける。事前に調べた情報だと房総のトウキョウサンショウウオは比較的田園環境に依存していて、山間の田んぼなんかでよく卵囊が見つかるという話だったが、今回はそれなりに流れのあるところで見つけた。
 直線距離で近い三浦半島の個体群も以前にこういった流水環境で産んでいるのを見たことがあるので、もしかしたら両個体群は遺伝的に近いんじゃないかな。更新世後期にこの2つの半島が陸続きになっていた経緯もあるわけだし、その時代に分散したんじゃないだろうか。


 そして卵囊の中では着々と発生が進み、外鰓ができていたのでもう少ししたら幼生が出てくるのだろう。さすが房総半島、産卵も早かったことが窺える。果たしてここの幼生たちはどのようにこの流水環境で成長していくのだろうか。




林道


 両棲類たちで楽しい沢登りに別れを告げて、ここからは谷底から上がってグングン標高を上げる。こんな山道を歩いていると『千葉も捨てたもんじゃないな』と改めて考えさせられる。
 ただ今回の目的は両棲類でもハイキングでもない。あるポイントを目指して険しい沢沿いを登ってきたのだ。










































隧道



 そう、この暗闇のために・・・

                       To be continued.


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Comments
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房総良いっすね!
結構素掘りのトンネルが多いことで一部で有名です。
たぶん昔に水路を通したり、水を確保するために掘ったんだと思います。

あともし余裕があれば、館山の方まで行って「漁師料理たてやま」にいくことをお勧めします。
愛宕山まで行ってしまうなら館山も遠くないかと。
Edit
>> ジークさん

千葉は想像以上でしたね、面白いとこです。
アクセスが良ければ隧道巡りとかしたいんですよね。

本当はそういうお店でごはん食べたかったですが、食欲に勝てませんでした(笑)
ホームページ見ましたが、それこそ穴子天丼とかが理想でしたね。
以前金谷港近くの「かなや」という漁師料理屋さんで食べた穴子天丼もうまかったんです。
次回はちゃんと食べたいですね。
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コメントの海鮮料理屋(たてやま)とコキクだらけのトンネルがすぐ近くにある場所を知っているので今度行きましょう笑

そこは煮穴子丼が最高でした。
他の料理も軒並みでかくてうまくてそれなりに安いです。(あの量と質を考えると)
かなやとだいぶ近いお店だと思います。
穴子はやっぱり美味しいですよね!

冬虫夏草の先輩と館山行く予定なので決まったらご連絡しやす。
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>> ジークさん

あ、そういえば書き忘れておりましたが、今回の遠征では館山の方に行ってたんですよ。
書き方が下手で愛宕山っぽく書いてしまいましたが;
なので余計メシを堪能できなかったのが悔しいですね。

コキクだらけのトンネルとか素晴らしいですね。
ぜひ親指と一緒に写真撮りたいです。
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