月明かりにヤモリ

Moonlight Gecko

Category: 蟲類  

赤い宝石の瞬き

アカスジベッコウトンボ
ナンヨウベッコウトンボの一種 Neurothemis sp.


 おそらくアカスジベッコウトンボN. ramburii だと思われるが、本属のトンボは迷トンボとして飛来してくる可能性があり、これまでに日本では3種ほど記録されているようだ。(私がザッと調べたところでは)
 アカスジ以外にナンヨウベッコウトンボN. terminata およびフチドリベッコウトンボN. fluctuans の飛来が確認されていて、3種とも東南アジアに生息する美麗なトンボだ。



 フチドリとは異なり後翅の赤褐色斑が弧状に長くなかった。ナンヨウとの違いは前翅の三角室を見なければいけないので判断しかねる。ただナンヨウはこれまで1980年に石垣島でオスが1個体見つかっただけで、迷トンボも迷トンボ。反対にアカスジは2006年に与那国島で記録されて以降、近年八重山諸島で数々の記録がある。
 もちろん西表島も例外ではなく、この赤い宝石を見つけている人は数多くいるようだ。私がこのトンボを見つけたのは先の西表島旅行の時なので、形態では種同定しかねるが、状況を踏まえたらアカスジであろう。


 そんな赤い宝石が川を遡上している私の眼前をかすめ飛んだ。目で追うとずいぶんと上にあがって行き、トンボと太陽が重なり合ってしまった。一瞬目が眩むと太陽光の残像が辺りの風景に付きまとってくるが、その中にもう1つの残像を見つけた、「 さっきのヤツだ !! 」 しょぼついた目のままジャングルの中へ追いかけて行くと、先程までの赤い残像は枯れ草に静止していてその姿をようやくあらわにした。
 思った通り素敵な生き物がそこにはいた。以前西表島ではコナカハグロトンボEuphaea yayeyamana を見つけて喜んだように、やはり赤いトンボには興奮してしまう。ただコナカハグロトンボのように容易には近寄らせてはもらえず、この写真より3歩ほど近づいたところでふわりと奥へ飛んでしまった。


 まるで幻を見たようだった。わずかに私の瞳に赤い残像が残っている。果たしてこれは彼の残像なのだろうか。名残惜しくてもう一度太陽を見て、目を眩ませる。
 でも残像は1つだけで増えることはなかった。



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