月明かりにヤモリ

Moonlight Gecko

Category: 爬虫類  

Buffer Zone

 あまり見かけない食われ方をしたマムシグサArisaema の実があった。この仲間の実を食べる生き物は少なく、ジョウビタキPhoenicurus auroreus などはこれをついばんでいくように食べる。その際は綺麗に一粒一粒とられるのだが、今回見たそれはがぶりと齧ったような跡があった。
 「こりゃあ珍しい」と、カメラの電源を入れようとしたら、うんともすんとも言わない。あれ、おかしい・・・そういえばいつも重いはずの一眼がやけに・・・軽い !?
 恐る恐るフタを開けると、そこにあるはずのバッテリーがなかった・・・電車に飛び込んだ時点でウイスキーを入れたスキットルを家に忘れたのに気がついたというのに、まさかその間もバッテリーはただただ充電され続けていただなんて…

 酒と写真という二大娯楽を失った状態で、まさかの塔ノ岳アタック。もうスタートからげんなりですよ。とはいえフィールドは心地好く楽しいもので、かえってカメラがないほうがサクサク進むし、いろいろと考え事をしながらの登山となった。
 日帰りのザックの軽さと、写真を撮らないという行動の削ぎ落としにより、4時間で塔ノ岳山頂に辿り着いた。前に訪れたときは7時間かかって夕暮れに着いたのに今回は昼メシ時。山頂でのツナマヨがえらいうまかったのは、快調に進んだ山行からだろうか。




ヒガシニホントカゲ
ヒガシニホントカゲ Plestiodon finitimus

 まぁ大好きなツナマヨの話は置いておいて、実は山頂に到着したときにヒガシニホントカゲを見つけた。山頂付近ではなく、山頂でだ。(ちなみにこの写真は別のときに、塔ノ岳の山頂間近で見た個体。)
 一般に小動物にとって大きな山脈や河川は、個体群間の交流を分断する地理的障壁になることがあり、トカゲ類も対象となり得る生物群だ。

 今回のヒガシニホントカゲは標高1,491mの塔ノ岳山頂で見かけたし、去年の表丹沢縦走でも稜線上で数個体目撃している。つまり丹沢山地はヒガシニホントカゲには地理的障壁にはなっていないであろうことがわかるし、おそらくそれはオカダトカゲPl. latiscutatus にも言えるだろう。
 伊豆半島に棲まうオカダトカゲと本州のヒガシニホントカゲ、その両種の分布境界や分布の重なるところというのは果たしてどこら辺なのだろうか。今のところ怪しいと睨んでいるところは箱根山の古期外輪山あたりかなと。箱根の南側ではオカダトカゲが見られたし、この付近の山がどうも怪しいので確かめたいところ。

 先ほど書いたヒガシニホントカゲに対する地理的障壁の話だけども、あれはあくまで丹沢での標高の話ね。ミクロな視点でみれば越えられないことだってある。
 例えば緯度。同じような標高でも屋久島の太忠岳1,497mや北海道の暑寒別岳1,492mとでは環境が全く異なるわけで、一概に標高だけで判断は難しい。ましてその土地の環境がトカゲに合う合わないもあるわけで、天敵の生息状況や餌資源、隠れる場所や通年の外温推移など、細かい要因はいくらでもあって、それらが複合的に影響することで障壁になり得たりする。
 また競合種となり得る近縁種のオカダトカゲとヒガシニホントカゲでは、ハビタットや生活史はどのように異なっているんだろうか。本当にごく僅かな違いかもしれん。両種間のハイブリットも報告されているから、緩衝地帯は同定が非常に困難かもしれない。まぁとにもかくにも数と場所を見るしかないな。

 いざトカゲを求めて!!
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