月明かりにヤモリ

Moonlight Gecko

Category: 蟲類  

夏休みに一休み


 入道雲と蝉時雨を引き連れて、暑い夏が今年もやってきた。野山に入ると虫捕り網を肩にかけ、夏の太陽に負けないくらい眩しい笑顔の童を散見するようになる。憧れはやはりカブクワの類いだろうか、甲虫の仲間は非常に好まれる。
 そんな虫捕り少年たちに混じって、少年だったあの頃が10年以上も前の遠い記憶になってしまっている私が虫を追いかけている。いつだって虫は、幼き少年心を呼び覚ましてくれる。


オオトラフコガネ
オオトラフコガネ Paratrichius doenitzi


 この日はオオトラフコガネが、緑眩しい森の中に悠然と佇んでいた。甲虫が自分の目線より少し上、手が届きそうで届かないところにいる。
 「大人になったらたくさん捕まえられるな。」なんて幼い頃に思っていた少年たちの中で、果たして身長が伸びてから再び虫を追いかけている人はどれくらいいるのだろう。相変わらず背が低いもんだから、大人になったって届きやしない私には、この高さの虫たちは非常に魅力的に映る。そしてシルエットでわかる素敵甲虫。知恵を絞って叩き落とし、観察できる高さのその虫は、カブクワとは異なる魅力を放っていた。


オオトラフコガネ
オオトラフコガネ


 近くで見ればわかる美しい模様。シルエットのみでも十分に魅力的なその虫は、手にとってみて更なる喜びを提供してくれる。





 お盆は親戚一同トータル11人の大所帯で山梨旅行。悠然とテニスや卓球をして、のんびり風呂に入ってうまいメシを食って、0時過ぎまで酒飲んで祖母のサプライズバースデーやって。
 家族と過ごす時間というのは一人暮らしをするようになってからずいぶん少なくなり、1泊の旅行でも貴重な時間だと実感した。言葉にするとずいぶん薄っぺらくなってしまうが、本当に家族って大切だ。


カラスアゲハ
カラスアゲハ Papilio bianor


 山中湖畔にあるイタリア料理店のテラスで昼食をとっていたら、店のガーデニングの花蜜を吸いに青いお客が訪れた。こんな素晴らしい昼食があったことか。見るもの全てが美しかった。
 こんな素晴らしい昼食があったことか。



カラスアゲハ
カラスアゲハ


 オオトラフコガネにしたってカラスアゲハにしたって、どちらもオスでどちらも魅力的。その上どちらの個体も完璧ではなかった。
 オオトラフコガネには右の中脚が、  カラスアゲハには右の後翅の尾状突起が、  無かった。

 悪いところがあっても、切り捨てるんじゃなく、認めてやろう。
 ただ歩くのが苦手なだけ、  ただ飛ぶのが苦手なだけ、  ただそれだけ。



 短い時間だったが、夏休みを満喫することができ、とても心清らかになった。

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