月明かりにヤモリ

Moonlight Gecko

Category: 爬虫類  

銀にも似たその鱗

 素敵なランを見て心躍り、調子に乗って「せっかく来たのだから、山頂も目指そうかな」だなんて安易に考えて登山を再開。山頂は綺麗に晴れ渡り、遠くに見える雲はもうすっかり夏模様だった。気分良く昼飯を山頂で迎えることができたのだが時間的にはお昼だかおやつだか微妙なところで、夜食用にと買っておいて食べなかったパンパンのポテチを食後に頬張っていたから、むしろこの食事はおやつに近い。
 そんな有意義な山頂休憩を満喫したもんで、下山の途中でレンタカーの返却時間が迫っているのに気がついた。 そう、ここからだと4時間はかかるんだった。山頂でおばさまにチェリーを頂いてのほほんとしている場合じゃなかったのだ。

 思いの外、下山は足早に進むが、もちろん生き物が出ないわけではない。この時の“生き物は見たいけど、出て来られると困る”という葛藤とは、時間管理のヘタクソな私はずいぶん長い付き合いで、わかっちゃいるけどどうしても帰りはギリギリになってしまう。そして案の定、帰り際に生き物が出て来ちゃうわけで、この時は山に登って来たんだなと思うヘビがお出まし。




ジムグリ
ジムグリ Euprepiophis conspicillatus


 コイツとヒミズUrotrichus talpoides は山に来たなと実感する。特にヒミズのロードキルは山中を走る道路で大抵見かけるし、この時もジムグリを見つける100mくらい手前のところでヒミズが息絶えていた。
 U字溝のある道路で、一度はそのヒミズも落ちたのだろう。やっとの思いで抜け出して渡ろうとした矢先の出来事だと想像するとなんとも心が痛む。もうちょっとタイミングがズレていれば、ジムグリの腹の中に避難できたのに・・・違うか(笑)



ジムグリ
ジムグリ


 しかし精悍な顔つきですな。山地で見ると空気が澄んでいるせいか、里地で見るより3割増しでカッコいい。
 私がよく目にするジムグリはまだ若く、赤色を残した体色の個体が多かったので、久々に大人の茶色に少し灰色がかった体色の個体に出会えた。遠目で発見したときは、小雨で艶っぽくなった肌を陽の光が綺麗に反射し、それは灰色というよりもむしろ銀色に輝くヘビに見えた。
 とにかく彼を前に大絶賛しながらいじくっていたわけだが、我に帰ればタイムリミットがだいぶ近くなっていた。名残惜しいが先を急がなければならなかったので早々に見切りをつけて、他にも道中いくつかの魅力的な生き物と戯れながらも、スタコラと山を下った。
 
 そして返却時間が20時だというのに、車に辿り着いたのが16時半。単純に考えても下道では間に合わないわけで、レンタカー屋の営業時間が20時までなもんだから、延長料金は1分でも遅れれば翌日返却になって半日分の請求が来てしまう。
 選択肢はもう高速道路をかっ飛ばす他無かったので、膝の笑う鈍った右足を全力で踏み込みアクセル全開で中央道を突っ走った。おかげでギリギリ15分前には辿り着き、ボロボロになった足腰を労ってやる暇なく眠りについた。
 朝起きたらふくらはぎがパンパンで、あの時山頂で食べたポテチの袋を思い出した。



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