月明かりにヤモリ

Moonlight Gecko

Category: 草本類  

キノコバエで繋がる妖しい花たち

カントウカンアオイ
カントウカンアオイ Asarum nipponicum


 今年の春から山野草にハマったわけだけども、きっかけは奇妙な奇妙なテンナンショウArisaema の仲間からだった。やはり素人としては見た目の面白さに目を奪われてしまい、その珍妙なカタチに惹かれる傾向があるみたいだ。テンナンショウを素敵だと感じるのだから、この時期に見たくなるのはこの花、カンアオイAsarum の仲間だろう。写真の左半分ほどを占める2枚の葉がカンアオイの葉で花はその根元の地面すれすれに咲いている。花弁に見えるのは萼片で、壺状の花の中におしべやめしべが入っていて奇妙なそそられるカタチをしている。実はこの花、落ち葉を退かしてようやく顔を出したのだが、それまでは落ち葉の下つまり目につきづらいところに咲いている。不思議なのはこの虫の少ない時期に、それもこんな見つけづらいところに花を出してどうやって花粉の運搬をしているのだろうか。
 一説によるとナメクジやヤスデ、ワラジムシなどの生き物が花粉を媒介しているらしいがまだ詳しいことはわかっていないらしい。訪花動物として上の生き物が報告されてはいるが、受粉に関わっているかどうかという因果関係は明らかではない。私もこのカンアオイを観察していると、中に生き物が入っているのがわかったので開けてみたら中から小さいオカダンゴムシ Armadillidium vulgare が出てきた。その瞬間は「コイツが花粉を運んでいる犯人だっ!!」とか勝手に決めつけていたが、もちろん確証は持てない。ただちょっぴり自然のシステムを自分の手によって紐解けたような気がして、探究欲が満たされて心が躍った。

 またキノコバエも送粉に携わっているようで、私の大好きなテンナンショウと同じ送粉者というのが面白い。というか好きな奇妙な花は大抵が日陰だったり湿気が多かったり、隠れていたりするようなところに咲いていて目立ってポリネーターを寄せつけるようなタイプではない。どちらかというとひっそりと妖しげに咲いているので自ずと送粉者も限られてくるのかもしれないが。
 カンアオイとテンナンショウといえば科博の筑波実験植物園でも『妖しい花たち』と題して2つの花が紹介されていて、私がカンアオイに惹かれるのも当然の流れだったようだ。もっと妖しい花を求めてじゃんじゃん外に出掛けよう。




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