月明かりにヤモリ

Moonlight Gecko

Category: 草本類  

短剣を纏う荒地の薊

フジアザミ
フジアザミ Cirsium purpuratum



アザミといったらトゲトゲした葉に赤いフサフサの花のイメージがある。
しかしどうだろう、この写真のアザミ。
隙の無いトゲトゲしさで猛烈に攻撃的なフォルム。
フサフサな花の時期はもう少し経ってからで、実はこれ蕾の状態。
本種はアザミの類いでは日本最大の種で、見頃になればそれはそれは圧巻なのだが、
この状態もなかなか見物である。



稜線を歩いて数時間経ち、午後の時間帯になってくると周囲は霧に覆われ始める。
下山を考えると結構タイトに歩みを進めなければならず、
この霧の中のトレイルはかなり私を不安にさせた。
崩壊地に差し掛かるとその視界の悪い世界からモンスターが顔を出した。
殺風景なその場所に円状にびた~っと刺のある大柄の葉を広げ、
中心部からいくつかの濃い赤紫色をした球状の頭花がこちらを見ている。
刺のある総苞片は他を寄せつけない形態なのだが、
逆にそこが私のようなひねくれ者を惹きつける。



咲いていた崩壊地は【丹沢稜線山行】3. のトカゲを見たところなどだった。
今回の登山で澄み切ったトカゲと荒々しいアザミをセットで見られたのはかなり贅沢だった。



本種はフォッサマグナ要素の植物で分布が非常に面白い。
和名も富士周辺で見つかったことに由来するわけだが、
日本最大のアザミに、日本最大の山の名前がつけられているのは素晴らしい偶然。
こんな劣悪な環境にいち早く適応してしっかりと根づいているフジアザミは、
見た目だけでなく歴史にも惹かれるものがあってかなりお気に入りに。
きっと男らしいんだろうなこういう植物は。
おそらく男子の好きな植物ではないだろうか。




【丹沢稜線山行】

1. 神奈川のテッペン獲りに行く
2. 鬼の岨
3. 雲隠れの里
4. 風吹き抜ける笹原から
5. 太陽と共に眠り、太陽と共に目覚める
6. 朝の蛍
7. 隈取りの翼
8. 短剣を纏う荒地の薊
9. 狐は夕暮れ時に



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