月明かりにヤモリ

Moonlight Gecko

Category: 草本類  

風吹き抜ける笹原から

ヤマオダマキ
ヤマオダマキ Aquilegia buergeriana


下界より太陽に近いせいか稜線を歩いていると、
肌をこんがりと焼き尽くし、汗がじわりと背中を湿らせる。
夏の稜線歩きはそんな過酷さばかりではない。
谷底から吹き上がってくる風は冷たく非常に心地好い。
暑さを味わうからこそ、風のありがたみがわかる。
稜線で見つけた生き物も同じで、苦労して山を登って来たからこそ、
そこで出会った生き物に一層の感動を覚えるのだ。



この時も稜線沿いの笹原を下界からの風が吹き抜けていた。
揺れる隙間から顔を出していたのはこのヤマオダマキ。
せっかく風でクールダウンしたはずの体から、興奮のあまりまた汗が噴き出す。
やはり花丸マークというか、“THE お花”みたいな形よりも、
ちょっと風変りな花に惹かれる傾向があるみたいだな、私は。
まるで街灯のようなそのカタチ。
“千と千尋の神隠し”に登場するピョンピョン跳ぶランプ(名前不明)みたく、
突然動き出したら素敵なのになぁなんて妄想したりしてしまう。
なんかとても可憐で可憐で、心奪われる植物だった。


初めは塔ノ岳から丹沢山まで歩き、また戻って下山しようかと思っていたが、
山小屋の主人から蛭ヶ岳まで行くのを勧められた。
ついその誘いに乗って歩いてみたが、まぁ大変だった。
写真を撮っていると一向に前に進まない。
おかげで早朝に出発したはずが蛭ヶ岳に到着したのはもう正午だった。
大変な道のりで若干後悔していたが、
ここまで来なければ出会うことのなかった生き物もたくさんいたので、
それは決して失敗ではなかろう、このヤマオダマキもその1つだ。
また懲りもせずに足をクタクタにして、生き物を探しに行こう。




【丹沢稜線山行】

1. 神奈川のテッペン獲りに行く
2. 鬼の岨
3. 雲隠れの里
4. 風吹き抜ける笹原から
5. 太陽と共に眠り、太陽と共に目覚める
6. 朝の蛍
7. 隈取りの翼
8. 短剣を纏う荒地の薊
9. 狐は夕暮れ時に


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