月明かりにヤモリ

Moonlight Gecko

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朝はゆっくり散歩をしよう

竹林の小径
竹林の小径


ここ修善寺は「竹林の小径」。
早朝には心地好い風が吹き抜け、笹をやさしく揺らす。
徐々に木の葉が色付き始める頃で、下駄と浴衣姿の私にはちと寒い。
さて、そろそろ朝風呂にゆっくり浸かるとしよう。



気がつけば今年に入って3回目の旅となった今回の目的地は、
父が大学時代の友人から紹介していただいた修善寺にあるお宿。
これまでに泊まった宿が霞むほどの名旅館の門をくぐり、
格式あるおもてなしを終え、ようやく我々家族はホッと部屋で一息つく。
男三兄弟の僕ら子供たちがわんぱくな幼少期だったら、
明らかに場違いで荘厳な雰囲気であったが、
三男坊もついに大学生となり、ようやく僕ら兄弟も落ち着いてきたからこそ来られたのだろう。
それでもこんな宿は経験がなかったので、息を呑み、そしてゆっくり出されたお茶を飲んだ。


そう、何年振りか覚えていないほど久しぶりに、家族みんなでの家族旅行なのだ。
私に続き二男も今年の夏に家を出て一人暮らしを始めたことにより、
実家が急に広く寂しく感じてきた祖母からの提案だった。
私もそして弟たちも懐かしの家族団欒旅行に浮足立ち、
行きの大きなレンタカーからすでにあたたかいエネルギーで充満していた。



のんびり温泉に浸かり浴衣に着替えたら、待ちに待った夕食。
見たこともない造形で彩り豊かな料理が目の前に運ばれ、
それを口に運ぶと素材の味を活かした、それでいてダシを丁寧にとった繊細な風味が口に広がる。
そこに若女将から頂いた焼酎と、こだわりの皿、照明、掛け軸、仲居さん、そして家族の会話・・・
それらすべてが調和していて何とも言えない充足感を得ることができた。


存分なおもてなしにより腹ははち切れんばかりに膨れ上がり、
地上での重力に耐えることができなくなってしまったため、
ついつい浮力に身を任せ食後の露天風呂にて仰向けで浮きながら、胃の中身を消化する。
ようやくスッキリして部屋に戻ると紹介してくださった父の友人が宿を訪れており、
クジラベーコンと鯨波という日本酒を持ってきていて、二次会が開催されていた。
ほろ酔いで父の学生時代の話を聞かせてもらっていたが、
どうやら父もどうしようもないヤツだったらしく、なんだか私はホッとした。
血は争えないんだなぁ。




そして朝。
実は私、早起きして宿の周辺を散歩するのがとっても好きで、
その土地の雰囲気を静かな早朝に存分に味わうのが旅の醍醐味だと思っている。
宿の敷地にある大きな池にはアオサギArdea cinerea がひっそりと、それでいて堂々と佇んでおり、
世界にソイツと私しかいないような静けさと緊張感があった。
掛川を歩けば2羽のカワガラスCinclus pallasii が盛んに朝食を探していたり、
赤蛙公園なるところではトノサマガエルRana nigromaculata が一瞬鳴いたりしていた。



最も気持ちの良い散歩道は掛川沿いにある写真の「竹林の小径」。
川のせせらぎがいくつもの竹に反響し、行き場をなくした音たちが空へ抜けていくよう。
竹たちはいつも実直で、上へ上へと向かっていく。
音と竹と一緒に私も大きな伸びをしてから宿に戻り、ゆっくり朝風呂を堪能した。





早朝の

 体操がてら

  散歩道

   ちんちくりんも

    まっすぐ伸びる

            月光守宮



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