月明かりにヤモリ

Moonlight Gecko

Category: 両生類  

闇夜に響く「フフフッ」と「クックックッ」

ニホンアカガエル
ニホンアカガエル Rana japonica 左上に卵塊


前回のラナ探訪からおよそ10日ほどが経った頃。
徐々に気温も上昇し、待ちに待った再びの雨が山肌を濡らした。
その翌日が偶然にも休日であったためリベンジを決行した。


湿地に辿り着くと前日の雨で水かさが増しているのがわかったが、
それよりも気になったのが明らかに前回よりも暖かいということ。
こんなんだったら昨日が産卵のピークだったのではないかという不安がよぎりつつ、
いくつかのポイントを覗き込んでみる。


するとやはり予想通りというべきか、ラナの産卵はすでに始まっており、
前日がそのピークであったのを物語るようにいくつもの“タピオカゼリー”が、
水溜まりの皿に盛り付けされた後だったのだ。



アカガエルは調子が良いと昼間もにゃんにゃん鳴き交わし、蛙合戦ともなればなかなかの見応えなのだが、
当日の日中はその光景を見ることができなかっただけでなく、成体の姿すら見ることができなかった。
1箇所だけ彼らの鳴き声が昼間でも聞こえるところがあり、
「これは粘れば夜にチャンスがありそうだ」と予想してしばらく時間を潰し、
辺りに陽の光が届かなくなるのを見計らって薄暗い山を歩いた。
すると昼間とは一転して、いたるところから「フフフフフフッ・・・」という笑い声が聞こえてくる。
正直これがカエルの鳴き声だと知らなければ、どう聞いても霊の類いだと思い込んでしまうだろう。
それほど不気味に夜の山にそっと響き渡るような声だった。
「こりゃ来たな」と昼間に最も卵塊があった場所に来てみると、見事なオスたちが私を迎えてくれた。
しかしピークが過ぎたからか、警戒心は強く近づくと例の笑い声はすっと消えた。
産みたての卵塊を横目にまだお相手を見つけられていないオスたちがジッと待っている姿を見ると、
まるで他人事に思えないようでなんだか涙がこぼれ落ちてくる。
「がんばれラナ太郎」と精一杯応援したいよ、私は。


とか思いながらも、こういうオスたちに出会うと私は抱きしめずにはいられない。
なぜなら私はリリースコールの会の人間だからだ。
必死にメスを待っているというのに彼らの脇腹をグワシッと掴み、
「クックックッ」と焦るオスが何とも可愛らしく愛おしいのだ。
夜まで待った甲斐もあって十分に楽しむことができた1日だった。






それはそうとして、実は雨が降った日というのが私の夜勤明けの日でして、
体に鞭打ってでも雨の中を突き進んでいたとすれば、
それはそれは素敵な酒池肉林の世界を眺めることができたであろうに。
残念ながら疲労困憊しており、翌日が休みだったから「明日でいっかな」と寝床についてしまった。
その日はボケボケで沈殿したパスタソースを撹拌するために全力で瓶をシェイクしたら、
どうやら瓶のフタが半開きだったようで、部屋にバジルと油とニンニクをぶちまけていた。
もしもそんなお疲れの状態のままフィールドに出向いていたとしたら、
ズブズブと沼に引きずり込まれ帰って来ることができなかったであろう(笑)
そういう意味では2連敗は免れ、無事に卵塊も成体も見られたのだから良いではないか。




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