月明かりにヤモリ

Moonlight Gecko

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REDへの系譜

RED
SUNTORY WHISKY 『RED』

いつからだろう、ウイスキーを美味しいと感じるようになったのは。
改めて考えてみると、おそらく大学時代後半くらいからだったように思える。

当時はさして金銭的に余裕があったわけではなく(今も大して変わらないが)、
飲みたいと思い立っても選択できる銘柄は限られていた。
そこで出会ったのがこの『RED』というウイスキーで価格が安価であるという他に、
「色の中では赤が好き」という安直な理由から購入に至った。

『角』や『Early Times』なんかよりもアルコール臭さが少なくスッキリと飲めるのが良く、
ウイスキー好きには物足りなさを感じる人もいるかもしれないが、
私のような初心者にとっては心地好くウイスキーを堪能することができた。
また私自身、高級なお酒より安酒のほうがキャラに合っているように思い、
今ではお気に入りの銘柄となっている。

それからというもの、ウイスキーは決まってこの『RED』を買い込み、
学生生活最後の奄美-沖縄の旅では東京から奄美大島までの46時間という長い船旅のお供として、
フル装備でパンパンのザックの中にこっそり『RED』の小瓶を忍ばせていたものだ。
夜の甲板で潮風と星空を肴に呑むウイスキーはまた格別で、
これから出会う南西諸島の生き物たちにより一層期待を膨らませるのであった。


それから時は流れてつい先日、祖父の四十九日があって親族で会食をしていたときのことである。
私はビールで適度に酔っ払ってきたのでウイスキーのロックを注文した。
すると同席していた父に、

「そういえば親父もウイスキーが好きだったよ。」

と、言われた。
私が物心ついた頃、祖父は毎晩焼酎であったが、
以前はウイスキーで晩酌をしていたようでまったくもって驚いた。

そんな事実を知り、ウイスキートークに花が咲いて父と色々話していると、
好きな銘柄の話になった。
当然の事ながら、

「オレはREDをよく呑んでるよ。」

と、答える。
すると父は手に持っていた日本酒のおちょこをこぼしそうになりながら、

「REDだって!?親父もREDが好きだったぞ。さっき言ってた晩酌のウイスキーってのはREDなんだよ。」


今度は私のウイスキーがこぼれそうになる。
なんということか。
私がREDを好きになったのは安価だとか見た目だとかいった理由だけでなく、
脈々と受け継がれる血筋に刻み込まれていたものだったとは。
運命だとかはあまり信じないほうだったが、こればっかりは感じずにはいられない。
ただ、今は亡き祖父と『RED』で一杯やることができなかったのはただただ残念で仕方なく、
この話をもう少しだけ早く聞けていたのならば、とても素敵な乾杯ができていたであろうに。
斯くして私はこの『RED』というウイスキーに、特別な想いを抱くようになったのであった。




近頃は寒さも一層増しており、今宵も冷たい風が身を突き刺すように吹き抜ける。
そんな時はウイスキー『RED』で一杯やりましょう。
冷え切った体を芯から暖め、頬を赤く色付けてくれるだろう。
そしてこのウイスキーは私の心までも暖めて、ハートを真っ赤に燃やす灯になってくれている。




そんなウイスキー『RED』と祖父のお話。

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Comments
Editはじめまして
RED飲みたくなりました。ずいぶんと以前に書かれた記事なのでコメントもどうかと思いましたが、ステキな話しですね。
まさに小説より奇なり。。
Edit
>> tokyo reptilesさん

どうもはじめまして。
昔の記事だとしてもコメントをいただけるだけで嬉しい限りですよ^^
やはり味だけでなく雰囲気や印象というのが、お酒では重要な気がします。
私はあまり強くないので後半では味なんかわかってないようなもんですし(笑)
Editありがとうございます。
雰囲気や印象というものが重要な気がすると云う時点で
どんだけお酒好きやねんと逆に思ってしまいましたw

強いと好きは比例しないところがまたお酒の良さでありますね。

最近は一杯やりながら一緒に暮らす爬虫類たちを夜な夜な眺めています。
Edit
>> TokyoReptilesさん

>強いと好きは比例しない
そういっていただけると嬉しいですね。
好きなんだけどなかなか歩み寄れない・・・まるで恋愛みたいですねお酒っていうのは(笑)

爬虫類見ながらの一杯は良いですね。
私もカメを眺めながらのお酒が好きです。
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