月明かりにヤモリ

Moonlight Gecko

Category: 蟲類  

遭難擬態

ツシマトリノフンダマシ
ツシマトリノフンダマシ Paraplectana tsushimensis


照りつける日差しは体力と水分を奪い、
真夏の南西諸島でのフィールディングの過酷さを物語っている。
この日は奄美大島で昼間から散策をしていた。
開けた場所にある石垣では、コバルトブルーがちょろちょろ地を這う。
バーバートカゲPlestiodon barbouri がのんびりバスキングしていたり、
餌を探してキョロキョロしている。
森に入れば同じようなコバルトブルーが宙を舞う。
今度はリュウキュウハグロトンボMatrona basilaris japonica がお出迎え。

気分を良くしてズカズカと森を進み、良さそうな小道を見つける。
夢中になって進むと道が道でなくなっていき、
気がつけばどこを歩いているのかわからず、マングース用トラップを頼りに進んでいく。

その遭難しかけの焦りの中で、葉の上に1匹のテントウムシを見つけた。
途中であまりにも生き物が見られなかったため、
普段はそんなに興味のない分類群でもこのときばかりはありがたく感じる。
と、思っておもむろに近づいてみると、「あ、これクモじゃん」。


どうやら稀少なクモのようで、日本でまだ数例しか見つかっていないようだ。
さらにオスに至ってはまだ発見されていないそうで。
ただそんな情報も知らず、「スゲースゲー」とアホみたいに写真を撮っていた。

トリノフンダマシとは鳥の糞に似た外見からついた和名であり、
本種はそのトリノフンダマシ属Cyrtarachne に近縁のためこのような和名に。
鳥の糞に擬態していると考えられており、
その役割として隠蔽擬態や攻撃擬態など様々な説がある。

また本種ではベイツ型擬態が考えられている。
モデルとしては悪臭を出すテントウムシ類。
私に対してはたしかにテントウムシだと思わせるような擬態ではあったが、
残念ながらそれが逆に仇となり、弄ばれる結果になるとは。



しかしあまりに興味ある生き物であるが故、
結局、夢中になりすぎて奄美の森で迷子になってしまった。
ついに森を抜けたと思ってもそこは見慣れぬ道路。
工事現場のガチムチおじさんに助けられ、なんとか仲間の元へ帰還。
教訓としては「マングーストラップは辿るな!!」。
おかげでプチ遭難だわ。

これが噂の【遭難擬態】か!?(笑)
道に擬態して素敵な生き物を見せておいて、人を遭難させるとは・・・
奄美の森、恐ろしや・・・



まぁ、素敵な生き物に出会えたので良しとしよう。

スポンサーサイト

Newer Entry青々とした

Older Entry白の所以

 

Comments
Leave a comment








1234567891011121314151617181920212223242526272829303108 < >