月明かりにヤモリ

Moonlight Gecko

Category: 蟲類  

綺麗な蟻にも棘がある

トゲアリ
トゲアリ Polyrhachis lamellidens


こんなのアリですか?
アリ初心者が、こんな特徴的な形態を呈した種に惹かれないわけがない。

本種を見つけた時、息を飲んだ。
そして続けざまに唾をゴクリと飲み込み、
この美しき薔薇が数十から数百も咲き乱れているのに気がついた。
初めは群を成していた彼らも、こちらに気がついたのか、
あっという間に分散して個を主張し始めた。

前胸、中胸、前伸腹節にトゲを持ち、
さらには腹柄節にある釣り針状の大きなトゲが異彩を放っている。
どう見ても攻撃的なフォルムで、胸部の赤色がより刺激的な印象を与える。

本種は女王が他種のアリの巣に侵入し、
女王を殺して巣の働きアリに自身の子を育てさせる「一時的社会寄生」を行う。
元からいた働きアリは寿命で死に、やがて巣は侵入者である本種のものになる。
クロオオアリCamponotus japonicusやムネアカオオアリCamponotus obscuripesなど、
本種より少し大きいアリの巣を奪うというのだから驚きである。



本種を見つけた里山に2日後、再び行ったのだが、
その際にいろいろアリを見たいと思って「アリ ハンドブック」を持参した。
目の前にアリがいたのだが、初心者には同定が難しく、
手間取りながらハンドブックとにらめっこをして、
「わかんないなぁ・・・」と、あきらめかけた時に、

「これはシベリアカタアリDolichoderus sibiricusですね。」と。
横から同定の手助けをしてくれたその方は、片手にビデオカメラを持ち、
同定ポイントをわかりやすく説明してくださった。

そして去り際に「私、ハンドブックの解説を書いているんですよ。」と。
なんと自分が使用しているハンドブックの著者が、
実際にアリの同定を手助けしてくださるとは夢にも思わなかった。
あまりの衝撃にお礼しか言えず、冷静になってからお話をさせてもらえば良かったと後悔した。


いやぁ~、これは面白い世界を見つけた。
ちょっとアリに興味が湧いてきたかも。


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Comments
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その出会いすごいね!! 図鑑持って野へ出かけてみるもんだ。
あと、君の話しかけやすそうな雰囲気も良い出会いには欠かせないかもね(笑)

このアリいつもあの里山にいるけど、
私のカメラじゃ証拠写真程度の大きさにしか写せないもんで、
早々に写真に撮るのは諦めてたよ。
リコーのコンデジはやっぱこういうの得意なのねぇ。
トゲがあるだけじゃなくて胸部が赤いのもいいよね。
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そんな出会いが...
横からさらっとそんなこと言われたら惚れてしまいそうです


このアリはあそこで見かけますね。最初はなんかアリがいっぱいいるーくらいにしか思ってませんでしたがあまり見かけないアリだったんで見てみたらトゲが。僕もかなり感動しました。
ポジション的にコンデジじゃないときついですよね、あれは。全域マクロ+フラッシュはほんと画期的ですな。
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>>花々まつりか。さん

おそらく昆虫の中でも甲虫やら鱗翅といったメジャーな連中と違い、
一歩踏み込む人が少ない虫だと思うので、
やはり話してみたくなるのではないでしょうか。
ボクも熱心にヤモリを探している人がいたら、
話しかけたくなりますよ、きっと(笑)

昔はリョーハリョーハって感じでしたが、
最近はカメムシにフォーカスが合っていて、
視点がミクロになってきたおかげですね。
恥ずかしながら今まで全然気が付きませんでした(笑)


>>ジークさん
もう、惚れること間違いなしです。
衝撃で乙女になってしまったようで、話しかけられませんでしたよ(笑)

こいつは感動ですね。
身近にこんな素敵な生き物がいたとは。
きっと探せば他にもまだまだいるでしょうね。
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