月明かりにヤモリ

Moonlight Gecko

Category: 未分類  

街と残留思念


 静まりかえった街の、


 無機物たちの、


 声にならない声。





路地裏

雑然と置かれていたり、


メーター

刻み込まれたり、


ビラ

貼り付けられたり、


吸い殻

捨てられたり、


雪だるま

置いてきぼりにされたり、


裏路地

吊されたり、


雑貨

立てかけられたり、


高架下

汚されたり、


自転車

壊されたり、


ビール瓶

片付けられたり。






 そんな彼らには、


 必ず誰かの息がかかっていて、


 何かしらの想いを持ってそこに在る。




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Category: 草本類  

天使の右手、悪魔の左手

 

 軟弱な私には寒くて寒くて、近頃の雪やら風なんかにはだいぶ参っちゃうんだ、本当にね。それでいてここに来て、うちのエアコンがご機嫌斜めになってしまったもんだから、いよいよ家の中でも寒さのピークを迎えちゃいそうなんだ。
 まったく、これには困ったもんだよ。ちくしょーめ。


 そんな鬱々としたホールデンくんみたいな近況で、早くも春が待ち遠しくなったので、去年の春のことでも書こうかと。GWの少し後くらい、ようやく自分の連休が取れるとあって、一昨年に続いてまたそのくらいの時期に四国を訪れていた。両爬でいえばシコクハコネサンショウウオOnychodactylus kinneburi だったりタワヤモリGekko tawaensisだったり、良い出会いに恵まれていたわけだけど、実は植物の方でも嬉しい成果が。




ユキモチソウ
ユキモチソウ Arisaema sikokianum


 今回は時期がバッチリだったようで、何株ものユキモチソウを見ることができた。憧れの植物なだけに、初めて見たときはあまり現実味のないような感じがした。

 ユキモチソウはマムシグサの仲間で、以前ブログに載せているイシヅチテンナンショウA. ishizuchiense ナガバマムシグサA. undulatifolium と同じテンナンショウ属に分類される。
 四国の深山にて水気が多少あるようなところにポツポツと生えているのを見かけたので、どちらかというとそういった湿気のあるような環境を好むようである。





ユキモチソウ
ユキモチソウ


 何より特徴的なのが、仏炎苞から飛び出る付属体だろう。前述のイシヅチテンナンショウなどのマムシグサは棍棒状の細い付属体なのだが、本種ではそれがお餅のようにぷっくりと膨らみ、なおかつ仏炎苞の周辺部分までも白く染め上げられているため、その姿はまるで雪見大福のなる草とでも形容したくなるような見た目の植物。
 また生育する環境が薄暗く、湿っぽい深山ということもあって、遠目に見るとちょっと妖怪チックなデザインになっている。

 他のマムシグサと違って仏炎苞の先端である舷部が垂れ下がることなく、パカッと上に開いて付属体を見せつけているような形になっているのも独創的で面白い。






ユキモチソウ
ユキモチソウ


 おどろおどろしい悪徳なるマムシグサ一味において、唯一の良心とでも言おうか。野山でご婦人と出くわしてこのマムシグサ類の話になると、どの方も口を揃えて 「 醜悪だ ・ 気持ちが悪い ・ 毒はあるのか 」 だのなんだのとネガティブイメージ満載なのだ。
 『 はぁ、まったく。 おばはん、何もわかっちゃいないなぁ。 』 なんて内心思いながらも、 「 へいへい 」 と相づちを打ってその場をやり過ごしてばかり。

 しかしユキモチソウは別格なようで、観賞に堪えうる植物なんだろう、今回も山で出会ったおばはんなんかにユキモチソウの話を持ち出せば、目尻に小ジワをたっぷり寄せながら目を輝かせて私の話に耳を傾けてくれる。
 あの虐げられているマムシグサの一味とは思えない扱われっぷりに、イメージの大切さを思い知らされた。








シコクテンナンショウ
シコクテンナンショウ A. iyoanum subsp. nakaianum


 一方こちらはマムシグサ一味の諸悪の権化と言わんばかりの禍々しい風貌。これぞマムシグサの魅力。おばはん共にも忌み嫌われるだろうが、私にとっては大好物な見た目。
 長く垂れ下がる舷部は幅が広く、外側に反って重たそうにしている。仏炎苞の表側は鮮やかな緑色なのに対して、裏側は深く暗い紫色で、表の緑色が浸食されるほどに紫色が強い。



シコクテンナンショウ
シコクテンナンショウ


 見よ、この宇宙をも思わせる模様を。この緑と紫が入り交じる色彩の組み合わせはあまり植物では多くないのだが、マムシグサの仲間ではこのパターンは多いものの、ここまで見事に鮮やかさと毒々しさを持ち合わせている種もそう多くはない。素晴らしい !!
 仏炎苞内部へと引き込まれるような網目模様と縦縞模様の織り成すデザインは、彼らの送粉役でもあるキノコバエだけでなく私までもがグッと引っ張られてしまう。

 本種を見つけた時は、まさに求めていた理想の見た目に、ただただノックアウトさせられた。これだよ、これ、マムシグサってのは。今までで一番素敵なデザイン。
 サイズもユキモチソウだったり、よく見かけるミミガタテンナンンショウA. limbatum より一回りほど大きいので迫力までありやがる。



シコクテンナンショウ
シコクテンナンショウ


 基亜種であるオモゴウテンナンショウA. iyoanum subsp. iyoanum 同様に偽茎は斜めに伸び、そこから上向きに仏炎苞をつける。花柄がほぼないくらいに短く、偽茎からいきなり仏炎苞をつけているような見た目が本種の特徴だろう。
 その形態というのは、山深い四国の山地に適応した結果なのだろうか、どの株も山の斜面に生えており、その斜度に合わせて生えているような印象だった。山道を行く私にはいつも背を向けている株ばかりだったを覚えている。環境的には山の斜面に生えており、土砂が流れてしまうような土壌の更新頻度の高いところにはなく、谷になっていないような比較的土壌も安定している日陰に生えていた。日陰で斜面ということもあって、競合するライバルは少ないので適応できてしまえば案外快適なのかもしれない。





マムシグサ組写真


 やっぱりマムシグサ良いなぁ。思えば植物にハマりだしたのもこのグループがきっかけだし、かれこれ5年は追いかけている。
まだまだ見たい種も多いし、これからもっと深みにハマりたい。

 早く春にならないかなぁとぼんやり思いながら、これまでのマムシグサ写真を眺めてニヤニヤする日々が続いております。



Category: 蟲類  

プレート裏の住人を訪ねて


 冬場のフィールドでは公園の樹木プレートをめくっては蟲探し。プレートの裏でよく見かけるのはクモが多く、冬場でも活動している種もいるので貴重な生き物成分である。



キハダエビグモとキハダカニグモ
キハダエビグモ Philodromus spinitarsis ( 左 ) と キハダカニグモ Bassaniana decorata ( 右 )


 プレートをめくってみたら2 匹の別種のクモが向かい合っていた。エビグモとカニグモという甲殻類同士の組み合わせが面白い。木肌における蝦蟹合戦。
 案外プレートの裏は色んな生き物が身を寄せ合って共存している場合も多く、次の写真もそうだ。





コクサグモ
コクサグモ Agelena opulenta


 プレート裏に住居をたずさえる者も。松独特の樹皮には程よく窪地ができるので、前述のキハダカニグモだったり、ヤニサシガメVelinus nodipes にも人気の物件で、よく見るとこの写真でもコクサグモを加えたその三者がご近所付き合いしているのがわかる。






アオグロハシリグモ
アオグロハシリグモ Dolomedes raptor


 渓流の略奪者こと、アオグロハシリグモ。肌寒い冬の沢でも、彼らは何かを捕らえるべく、徘徊する脚を止めない。ハシリグモの仲間はサイズがそれなりにあるので、見つけた喜びと、迫力のある写真写りがなんとも嬉しい。
 海外でクモ写真が非常にうまいなぁと思う方がいて、写真見てたらその方に影響されたような構図になってしまった。




デーニッツハエトリ
デーニッツハエトリ Plexippoides doenitzi


 こちらは夏に撮ったやつだけども。ハエトリ可愛いよなぁ。あのお方の写真を見ていると、やはりあのレンズシステムを組んでハエトリ撮りたい欲が湧いてくる。どこかでチャレンジしてみようかな。


ということで最近のカメラ機材欲と、冬フィールドの近況報告的な記事でした。



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