月明かりにヤモリ

Moonlight Gecko

Category: 爬虫類  

蛇探しの秋


 ようやく秋めいてきて、山を登るにも涼しげで良い良い。このくらいの気温になってくれば、暑さの苦手なアイツも出てきてくれるだろうと、少しずつ色づき始める山を登る。




ジムグリ
ジムグリ Euprepiophis conspicillatus


 昼行性のヘビといえば太陽 ! バスキング ! みたいなイメージだが、本種は真夏の太陽が苦手で涼しくなってきた時期が見頃になる。この日はわずかに木漏れ日が差し込む程度の薄暗い登山道で、下山時にするりと足元をすり抜けるこの個体に出くわした。
 ジムグリが出てくると、両爬的には秋だなぁなんて思わせてくれるヘビだ。彼らの動きも良く、夏になんとか見つけたバテ気味の個体と違って活きが良くて、体のしなやかさとかアグレッシブさが全然違う。

 やはり彼らは温厚な個体が多く、コイツも例に漏れず優しい性格で、私に見つかると逃げの一点張り。噛んできやしないんだ、コイツら。


ジムグリ
ジムグリ


 もちろん彼らのご機嫌がナナメだったり、無理矢理に捕まえたりなんかしたら、いくら温厚なヤツだってアタックしてくることもあるだろうけど、ある程度の優しさをもって手に絡ませれば、彼らの温厚な性格もあって非常に落ち着いてくれる。私の小さい掌と短い5本の指だとしても、しっかりとそこでジッとしてくれているので、観察するのにはもってこい。
 あぁ、この丸まって絡む姿が可愛らしい。



ジムグリ
ジムグリ


 特徴的な市松模様の腹板が艶やかで美しいではないですか。背中側の鱗1枚1枚も、シマヘビElaphe quadrivirgata みたくシャープではなくどちらかというと丸みのある形が、まるで彼らの性格を表しているようだ。

 やはり両爬で面白いのはこのくらいの距離感があるからだろうね。哺乳類や鳥類だと触れないし、なかなか距離を詰められない。虫だとサイズ感的に両爬を超えるのも、なかなか難しいし。植物だとそもそも動かないから、捕獲っていう概念でもないし。
 そういう意味では、両爬、魚あたりが私個人としては見つけて捕まえるまでの達成感が得られて嬉しい捕獲難度・大きさなんだよなぁ。 【 手のひらに収まるぐらい ~ 少し手からはみ出るくらい 】 のサイズ感が良いんだろうね。だから哺乳類だったらネズミ・モグラ・コウモリなどの小型哺乳類が面白いっていうのも、そういうサイズ感からくるんだろうなぁ。







ニホンマムシ
ニホンマムシ Gloydius blomhoffii


 ジムグリで秋だなぁと思う一方で、こちらもまた個人的には秋を感じるヘビ。まだ小さい子マムシ。顔もゴツくないし、薄暗い山中だったから瞳孔がキツい猫目にもなっていない上に、舌をタラタラと出しているので幾分可愛らしく見える。
 それに体色のコントラストは薄く、腹側が少し赤みの強い個体だったので、たまに見る虎柄っぽいコントラスト強めのマムシよりも優しげな印象。 『 毒蛇 』 のレッテルがなければ結構可愛い顔しているんだけどなぁ。



ニホンマムシ
ニホンマムシ


 全体像も。やっぱりマムシ撮るのは楽しいね。先ほど書いた距離感の話だけど、両爬の良さってこの少しヒヤヒヤする危なさも余計にアドレナリンを分泌させてくれるので、本当に良い距離感で対峙できるんだよね。
 マムシも性格はいろいろだけど、私がよく会うのはやはりすぐ逃げるタイプ。毒蛇で悪者のイメージがついてしまっているけれど、基本はやはり逃げるんだよ、彼らも。ただ追いかけ回したりすればとぐろを巻いて、尻尾をビチビチと振るわせて怒りを露わにし、そして追ってくるものに飛びつくんだ。
 だからこうして遠目から見守ってやれれば、とってもカッコいいヘビなんだよね。それでいてこの個体は優しい顔立ちもしているし、今まで会ったマムシの中で一番好きかも。



 そういえばこの個体が赤みがあって思い出したけど、赤マムシってまだ見たことないなぁ。この個体みたいにコントラストが薄めの個体が私としては好みっぽいし、赤マムシもきっと素敵に違いない。

 赤マムシって言葉を思い浮かべるたびに、研ナオコの声で 「 赤まむしぃ~ 」 と脳内で再生されるのはきっと私だけじゃないはず。あのコント好きだったなぁ。








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Category: 蟲類  

勤勉なる媒介者


 コテングコウモリMurina ussuriensis を見つけた日の翌週、探し方の実用性を確かめるため別の山に向かってみた。 「 たしかあの植物は、あの山にあったはず ・・・・・ 」
 過去の山行を振り返り、キーとなる植物を道中見つけていた記憶がよみがえるその山へ。

 「 前回結構登ったし、今日は体力が保つだろうか ? 」 実はコテングコウモリを見つけた日の山登りはそれなりにアップダウンを繰り返したので、なまった足腰にはまだその日の筋肉痛がずしりと居座ったままだった。それでも山に出向いたのは、 『 コウモリの探し方を別の場所でも試してみたい 』 という逸る気持ちを抑えることができなかったからに他ならない。




 植物をみると、その場所の水環境も見えてくる。 「 あれは乾燥したとこでも生える、これは決まって湿り気のあるとこに咲く 」 特に湿っぽいとこに生える植物は、両爬探しでも役立つところがあるので、気にするようにしているし、面白いやつも多い。


ツリフネソウ
ツリフネソウ Impatiens textorii


 このツリフネソウもそうだ。まだ勾配がキツくない比較的なだらかなところで、斜面を下った雨水がしばらく土の中で滞留するようなところに群落を作っているのをしばしば見かける。花の形態は特徴的で舟を吊ったような姿からそのような和名がつけられている。
 秋に咲く花でこの面白い形は何度見ても不思議だ。



 風変わりな形態の植物というのは、何か特異的な花粉の媒介者との共進化を遂げていたりするもので、かのチャールズダーウィンも30 cm にも及ぶ距の長いラン Angraecum sesquipedale を見て、この蜜を吸える口吻の長い蛾がいるはずと予言をし ( 当時はまだこの蘭の蜜を吸える生き物は発見されていなかった ) 、本当に口吻の長いキサントパンスズメガXanthopan morganii praedicta が彼の死後、発見されたという話があるほどだ。


ツリフネソウ
ツリフネソウ


 そういう観点で見てみると、このツリフネソウも花の後ろ側に伸びる、奇妙な渦状の距を持っており、そこに甘い蜜を携えている。ならばこの奇妙な形の花の蜜を吸うために適応した媒介者がいるのではないかと想像させる。
 実際にもその通りで、この花のデザインは口吻の長い数種のマルハナバチ類をお得意様としており、この日はようやくその光景を見ることができた。


トラマルハナバチ
トラマルハナバチ Bombus diversus diversus


 水性絵の具の赤紫色を野山に点々と垂らしたかのようなツリフネソウの群落に、黄色くてふわふわの何かが飛んできた。それはいくつもの赤紫色の点に触れては消え、また少しすると違う赤紫色に触れては消え、を繰り返している黄色。ようやく近くのツリフネソウに触れたので見てみると、そこにはトラマルハナバチが。
 ツリフネソウにとってはこのトラマルハナバチが最もよく花粉を媒介してくれる重要な得意先である。



トラマルハナバチ
トラマルハナバチ


 この写真でわかるように、マルハナバチの中でも特に長い口吻を持つトラマルハナバチだけが、この袋小路になって先細りしながら渦巻き状になっている距から蜜を吸うことができるのだ。勤勉なマルハナバチは花蜜集めでとにかくいろんな花を巡る優秀な媒介者。
 その中でもさらに種を限定して、他の生き物が蜜を吸えない仕組みにするというのはリスクでもあるが、反対にトラマルハナバチはこのツリフネソウの蜜を独占できるのだから、次から次へとツリフネソウを渡り歩いてくれるメリットもある。そうすることで受粉の確率をツリフネソウも高めているようだ。



トラマルハナバチ
トラマルハナバチ


 蜜を吸うためには体を花の奥まで突っ込み、そこからさらに口吻を伸ばすことで吸うことができる。そのためにツリフネソウの花は、前側はマルハナバチがとまれるほどの足場があり、体がジャストサイズで入れる空間ができていて、そして長い口吻でないと吸えないような距の形をしているのだ。
 つまりトラマルハナバチのために形作られた形態であると言っても過言ではない。




拡大
拡大


 上の写真を拡大してみる。赤い矢印があるところにおしべがあり、ちょうどトラマルハナバチが頭部を突っ込んだところで、ふわふわの黄色い毛が生えそろっている胸部背中側に花粉が付く仕組みになっている。
 何度もツリフネソウを訪れるトラマルハナバチは背中が花粉で真っ白になり、すごい勤勉な個体だと、背中の毛が擦れすぎて抜けてしまうヤツがいるほどらしい。


 ツリフネソウを知った時から憧れていた光景をようやく見ることができた。マルハナバチは勤勉なので、ツリフネソウ群落では何回もその光景を見ることができて幸せになれる。特にトラマルハナバチが蜜を吸い終わって、後ろ向きでズリズリとおしりから出てくる姿が可愛らしくてたまらない。










コテングコウモリ
コテングコウモリ


 もちろんこの日の目的であるコテングコウモリもばっちり。記憶の片隅にあったあの植物は、想像よりも標高を上げたところにあって辿り着いた時にはもうクタクタ。
 でもまぁツリフネソウの受粉光景見られたし、何よりこの天使が見られたのが最高だった。やっぱりあの探し方が良いみたい、と実感できた日だった。



Category: 未分類  

雨の夜はブレードランナー日和


GX200でのスナップ写真が最近は楽しすぎる。
ちょろっと出掛ける際にポケットに忍ばせておけば良いので、お手軽だしスナップシューターとして優秀すぎる。
このままでは本当にGRⅡを買ってしまうかもしれん・・・
やっぱコンデジ良いなぁ。


雨のアメ横


大雨の夜の上野とか、それはそれはブレードランナー日和ですわ。
“ 2049 ” が映画公開されるんで、予習にとブレードランナーのDVDを見直してたら、やっぱりあの世界観が素敵すぎた。
そしたら完全に影響を受けてしまったようで、それっぽい写真を撮りたくなってしまったようだ。


雨のアメ横


店先でオヤジに 「 2つで十分ですよぉ 」 とか言われてみたい。
アメ横なら本当にそんな人がいるんじゃないかと思ってしまう。



雨のアメ横


濡れた赤い傘が目をひく。
漢字の看板はアジア感をより演出してくれるので、意味がわからなくても外人さんには COOL なんだろうな。
逆にぼくらはよくわからん英語が書いてあるTシャツ着ちゃうくらいだし。
( 昔、 “ PINK COLLAR JOB ” って書いてあるTシャツを意味もわからず着てたのは、良い想ひ出。 )


雨のアメ横


この日は特に雨が激しさを増す日だった。
屋根を伝って軒先に流れる雨水の激しいことよ。


雨のアメ横


暖色系の看板って、寒いとどうもそそられる。
まぁこの美味しそうなカレー屋には入らず、結局一本中に入った通りのつけ麺を食べたんだけどね。






モノクロ


モノクロもありだね、アメ横は。
街全体の造形が良いということなんだろう。




雨のアメ横


煌びやかな電飾と、それを反射する濡れた路面、そして通り過ぎゆく傘差す人々。
“ 2049 ” の方も面白かったけど、やっぱりブレードランナーは2019年の時代の方が個人的には好きな世界観。


雨のアメ横


この日の写真の中で一番ブレードランナーっぽい後ろ姿。
やっぱりあの映画は、雨降る夜の街だったからカッコイイんだろうな。
アジアっぽい荒廃した未来の都市感がいいよね。
AKIRAっぽいし、攻殻っぽいし。
香港とか行きたいな。



雨のアメ横


組写真にしても良いなぁ。
GRⅡ買ってHDR調で撮ってポスターとか作りたい。

雨でも楽しいよRICOHさん。
やっぱり良いカメラだなGX200は。
サブカメラどころじゃないかもしれない。




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